【自律神経ケア】予約が取れない鍼灸師が教える最強の万能ツボ「合谷」と「百会」とは?



不調の改善の近道は、自分に合ったセルフケアの方法に出会うこと。
『自律神経にいいこと大全100』の発売を記念したこの連載では、予約が取れない鍼灸師として大人気の森田遼介先生が、自律神経を整える簡単なセルフケアを毎週ご紹介します。
今回は「ツボ押し」について。


「低気圧の日は頭痛がする」
「寒暖差でつねに体がだるい」
「季節の変わり目に風邪をひく」

この時期、気圧や気温の大きな変化によって引き起こされる「気象病」。

体の不調が起こった時に、みなさんはどんな対処をしていますか?
かかりつけ医に駆け込む、市販薬をのむ、症状がおさまるまで待つ……
しかし、いまいち効果を実感できなかったり、自分に合った対処法がわからないという方も多いのではないでしょうか。

原因がはっきりせず、なかなか体調が良くならない時は、自律神経の乱れによるものかもしれません。
実は、この気象病に限らず、体のさまざまな不調には「自律神経」が深くかかわっており、不調の改善のためには自律神経のバランスを日頃から整えることが大切です。自律神経のバランスがうまく取れていれば、不調を未然に防ぐこともできるのです!
そこで、鍼灸師の森田遼介先生に、新刊『自律神経にいいこと大全100』から今すぐ使える自律神経を整えるセルフケア方法として、「ツボ押し」のやり方をご紹介いただきました!

※本記事は、森田遼介:著『自律神経にいいこと大全100』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

 

最強万能ツボ【合谷】と【百会】

自律神経を整えるために、まず知ってほしいのが「自分にあったツボ」を見つけること。
現在、WHO(世界保健機関)で公認されているツボの数は361種類あり、左右に一対ずつ存在するツボも合わせると全部で700個あります。

そんな中から自分の悩みに効くツボを覚え切れないという方におすすめしたいのが「合谷(ごうこく)」と「百会(ひゃくえ) 」です。
この2つは「万能ツボ」といわれていて、鍼灸師もよく使うツボです。

全身の幅広い不調には合谷

合谷は主に風邪や頭痛、眼精疲労、肩こり、歯痛、生理痛、便秘などの様々な症状に対応します。また、スマホの使い過ぎで指が疲れた時には、合谷を指圧すると気持ちが良く、手が楽になります。

場所は、手の甲を上に向けて指を広げ、人差し指の根本にある骨の中間点にあります。骨の際を手の中心方向へ正しく押すことができるとツーンと響きますので、それが正しく押せている証拠です。

ツボの刺激の仕方には、指で押す手軽な指圧の他、お灸、カイロやホットタオル、ドライヤーで温める、揉むなどがあります。市販のお灸を使うと、台座面が直径1.5センチ程度あるため、指圧よりもツボに当たる確率が高まるメリットがあります。

ストレス系の症状には百会

百会は頭痛や抜け毛、耳鳴り、めまい、不眠など、主にストレスが関わる不調に対して効果を発揮します。場所は、頭を左右に分ける縦のライン(正中線)上で、左右の耳を結んだ交点です。

指圧でも効果的ですし、イライラしている時には、爪楊枝を15〜30本ほど束にして輪ゴムで縛る自家製の「爪楊枝鍼ばり」をぜひ試してみてください。
爪楊枝の先端側で、百会を中心に周囲をトントンと1〜2分、頭皮を刺激すると気持ちがすっきりします。

 

ツボ押しの「3の法則」

「この不調にはこのツボを押しましょう」という情報は、近年あらゆるところで目にするようになりましたが、正しい押し方が分からないという人は多いようです。
正しい押し方を心得なければ効果が出にくく、せっかく養生のために始めても継続をする気にならなくなりますよね。

正しいツボ押しの手順は、次の通りです。

① 圧痛点を探し、皮膚に対して垂直に押す。
② 3秒かけて徐々に押していく。
③ 痛気持ちいい強さで3秒キープする。
④ 3秒かけて徐々に力を抜いていく。
⑤ これを3回ほどくり返す。

姿勢をできるだけ正し、ゆっくりと呼吸をしながら行いましょう。
特に大切なポイントとしては、「圧痛点を正しく探すこと」「3秒間持続圧を入れること」の2つです。圧痛点とは、内臓や筋肉の不調が現れる点であり、集中的に刺激することで脳に信号を送ります。圧痛以外にもズーンとした響きなども体からのサインになりますので、そのような反応のあるツボを選んでください。

鍼灸院に行ける方は、その時に自分に合ったツボをマジックなどで印をつけてもらう方法も正確でおすすめです。
また、押す強さは「痛気持ちいい強さまで」を心がけましょう。強過ぎる刺激に慣れると筋肉が緊張して、逆に硬くなってしまいます。

 

「体の不調は、同じ症状でも、その時の状態や季節によって適切なツボが変わることも珍しくありません。また、人によっても症状が改善するツボ、しないツボがありますので、複数のツボを確認し、反応が大きく感じる自分の「推しツボ」を見つけてほしいです」と森田先生。

新刊『自律神経にいいこと大全100』では、他にも体の不調に合わせたおすすめのツボをご紹介していますのであなたの「推しツボ」を見つけてみるのはいかがでしょうか。

イラスト/日江井香

\好評発売中!/
自律神経にいいこと大全100
著:森田遼介

森田遼介
TC鍼灸マッサージ院 院長

国家資格:はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧師。鍼灸院などに勤めながら、勤務後や休日に個人で訪問治療を行う。予約1年待ちが続いたタイミングで2023年2月に独立し、4か月で予約満杯となる。現在は埼玉・東京エリアの訪問自費治療を中心に活動。
治療の特徴としては、全身の筋肉や内臓の調整をしつつ、不調の改善以降は再発の防止や他の大きな病気にかかるリスクを最小限にする、「未病」に対する治療で、人生100年時代をできるだけQOL(生活の質)を落とさない目的の治療が需要として高い。
2021年2月NHK特番「東洋医学ホントのチカラ」・2021年4月NHK「あさイチ」出演。書籍『しんどい低気圧とのつきあいかた』(新潮社)ツボ監修。本書が初の著書となる。
X(旧Twitter) @harikyumorita
Instagram @harikyumorita
note https://note.com/harikyumorita/