【ペルー国境封鎖足止め日記】4日間のはずが、2年もクスコに!

【ペルー国境封鎖足止め日記】4日間のはずが、2年もクスコに!



人生初の中南米一人旅の真っ最中に、新型コロナウイルスが蔓延。
国境は封鎖され、飛行機はキャンセルになり、異国の地でのロックダウン生活。
街中がパニック、一人心細く、早く帰国したいと願う毎日……になるかと思いきや、
彼女は「いっそのこと、ここに住もう!」と決め、ペルーで生活を始めた。

ペルーで暮らして、早2年。
現地からお届けする、予想外で刺激的な日々。


 

世界中でコロナウイルスが猛威を振るう前の2020年1月、人生初の中南米旅行に出かけた。
以前オランダやイギリスに住んでいたことがあり、海外旅行にもよく行っていたけど、南米は初上陸。キューバ、メキシコ、ボリビアと周遊し、4か国目のペルーを旅行していた3月16日。マチュピチュを訪問してから、クスコ市内のホテルに到着した夜、ホテルのオーナーから「国家緊急事態宣言が発令され、明日から観光が出来ない」と告げられた。


10日後に帰国予定だったためフライトを延期し、そのうち解除されるだろうと、気長に待つことに。40万円するチャーター便で帰ることも出来たけど、まだ旅の途中だし、これから行く予定のコロンビアを含めたフライトを3つ分も無駄にはしたくない。

ホテルに残っていたヨーロッパ人は皆チャーター便で去っていき、あっという間に宿泊客は私一人に。一人でのホテル封鎖生活は映画『シャイニング』のようで、怖くなるときもあった。
数週間ごとに封鎖期間が延長され、閉じ込められている気がして窮屈になり、節約も兼ねて日本の携帯電話を解約。海外への転出届も出し(証明できるものがあればメールで出来る)、この際ペルーに住む! と気持ちを切替えると、一気に心が開放された。

日本に居た頃は実家暮らしで、自由な独身、wi-fiがあれば仕事も出来る職種。物価が安いペルーでは月7万円程で暮らせて(ホテルは事情なだけに、1/3程の宿泊費にしてもらえた)、クスコなどの高地(3400m)では、何故かコロナ感染者が少なく比較的安全。さらに、ホテルのオーナーが英語を話せて、私自身14年間ヨーロッパで一人暮らしていたこともあり、この状況を乗り越えられる気がした。

ロックダウン直後は、日曜日と21時以降は外出禁止。突然、「月水金は男性、火木土は女性しか外出出来ない」という謎のルールが発生すると、スーパーは大行列になったり、すぐにこのルールはなしになったりと、策に溺れている印象を受けた。

唯一の楽しみはスーパーでの買い物。だけど、人数制限があったり、フェイスシールド、マスク、ゴム手袋がないと入店できなかったりと厳戒態勢。
お酒は普通のスーパーでは購入できなかったため、小さなお店で目配せし、こっそり買うような状態。ワインが好きで毎日買っていたので、お店に行く度に「Vino(ワイン)」と呼ばれて、恥ずかしい思いをする羽目に…(笑)。

レストランは全て閉まっており、自炊の日々。スーパーは品薄で、自炊意欲もなくなり、断食したり、飲みすぎたりと極端な日々を過ごしているうちに、長い夜が明けるように街も活気を取り戻し、今は穏やかな毎日になった。

そんなふうにペルーで過ごして、早2年。計画外の暮らしの中で、思いがけない場所や人との出会いが、強い力で私の価値観を解きほぐしてくれた。感謝の気持ちを込めて、クスコの日常をお届けしていきたい。

イラスト・写真/ミユキ


Written by ミユキ
ミユキ

旅するグラフィックデザイナー、イラストレーター
広島出身、武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒、在学中よりフリーランスとして広告、ロゴ、エディトリアルデザインなどを手掛ける。
ロンドンに2年間の語学留学、オランダ・セントヨースト・マスターグラフィック卒業後、個人事業主ビザを取得しアムステルダムに12年居住。
ヨーロッパ全域を含む訪れた国は50カ国以上、旅先では美術と食を軸に、ダイビングや運転もする。
主な作品:ギリシャ・クレタ島の大壁画、ハイネケン Open Your World、モンスターズインク・コラボイラスト、豊島復興デザイン等、15年前からのリモートワークで、世界のあらゆる場所で制作。
HP:http://miyuki-okada.com
Twitter:@curucuruinc
Instagram:@curucuruinc

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