【ペルー国境封鎖足止め日記】ロックダウンは突然に
人生初の中南米一人旅の真っ最中に、新型コロナウイルスが蔓延。
国境は封鎖され、飛行機はキャンセルになり、異国の地でのロックダウン生活。
街中がパニック、一人心細く、早く帰国したいと願う毎日……になるかと思いきや、
彼女は「いっそのこと、ここに住もう!」と決め、ペルーで生活を始めた。
ペルーで暮らして、早2年。
現地からお届けする、予想外で刺激的な日々。
念願の中南米旅行を楽しんでいた、2020年3月。4か国目のペルーでマチュピチュを訪問し、遺跡内からアクセスできるワイナピチュという標高2,639mの山にも挑戦。登山なんて高校生のとき以来で、思った以上にキツい! なんとか無事登頂し、達成感からの感動やら、長旅のメインイベントを終えることが出来た安堵やら、朝4時起きによる眠さのせいやらで放心状態のまま、クスコにある宿泊先のホテルに到着した。
チェックインし、眠りかけていた21時頃。突然ホテルのオーナーが部屋にやってきて、明日から国境が封鎖され、ロックダウンのため観光もできなくなると告げられた。
1月からずっと旅をしていたので、「コロナ? そういえば一昨日、ボリビアの空港を出るときに体温を測られたり、空港にいた日本人女性に“アルゼンチンに入れないかも”と話しかけられたりしたなぁ」と思いつつも、いまいち事の深刻さを理解しないまま眠りについた。
翌日、スマホの翻訳機能を使ってペルー政府の発表を確認してみると、月末まで国境封鎖とある。このままだと帰国便に間に合わなくなるから、変更しないと……と思っていると、4日後に控えていたコロンビア行きのチケットもキャンセルとの連絡が。Webにある空港の発着表もほとんど“CANCELLED”の文字で埋め尽くされており、マチュピチュや他の遺跡も閉鎖されるそうだ。
町中は二人組の警察官が巡回。一部の公園、教会、レストランやお店は閉鎖しており、薬局とスーパー、メルカド(市場)だけやっているという状態。そんな状況になって、いよいよ“国境封鎖”そして“ロックダウン”という現実味が湧いてきたけど、近所の売店はやっていたので、とりあえず昼からビールを飲む(笑)。
△アルマス広場。ロックダウン中、人がおらず閑散としていて、ゴーストタウンのよう。
同じホテルに宿泊していたアルゼンチンの若い女子二人組は、帰国するためにダメ元でバスセンターまで行ってみると、ホテルを後にした。ホテルに戻ってこなかったので、ギリギリ出国できたみたい。
数日後にはフランス人のバックパッカー二人組が、これまたダメ元で空港に行くと言って出ていき戻ってこなかったので、どうやら脱出が成功した模様。そうして、次々とホテルから宿泊客が去っていき、気づけば私一人になっていた。
△Plaza Kusipata。普段ならすごく混んでいるスポットなのに、誰もいない。噴水も止まっていた。
△広場に向かう途中。ひっそりと出かけて息抜き。
今月のスペイン語
*次回は8月5日(金)更新予定です。
イラスト・写真/ミユキ