【夏休みの自由研究】おうちで科学実験! 「不思議なスライム」を作ってみよう♪
NHK高校講座「化学基礎」をはじめ、多くのメディアで活躍中のサイエンスエンターテイナー・五十嵐美樹先生。
そんな五十嵐先生が、「全国で開催しているサイエンスショーで反響が大きかったものを中心に、子どもが“やってみたい”と思えるような実験を集めました!」と太鼓判を押すのは、待望の新刊『おうちサイエンス -自宅が研究室になる! 今日から君は研究者!-』(小社刊)。
暗闇で光るスライム、あっという間に色が変わる焼きそば、ワイングラスに残る犯人の指紋探し、踊っているだけでバターが作れる(!?)ダンシングバターシェイクなどなど、子どもが食いつくこと間違いなしの、楽しい実験が盛りだくさん。
ここでは、特別に「不思議な動きをする磁性スライム」の作り方を大公開。この時期、親御さんの頭を悩ませるお子さんの「夏休みの自由研究」は、この一冊で解決!
あらゆるワクワクの先にある「おうちサイエンス」!
五十嵐先生曰く、「科学は身近なところにあふれている」「特別な道具がなくても身の回りのものでできる実験もある」のだとか――。そう、おうちがあっという間に「研究室」になる実験が、実はたくさんあるんです。
五十嵐先生ご自身も、中学生のころ「プリズムによって光が色ごとに分かれて見える実験をしました。それが虹の原理と同じだと気がついたときに、心が震えるほど感動したのを今でも覚えています」と語ります。
しかも、その身近な実験の感動こそが、先生を今の道へと導くことになったのだとか! もしかすると、お子さんもこの本をきっかけに、将来を決めるほどの感動を覚えることになるかもしれません。
それでは、実際に実験をはじめていきましょう。ただし、低年齢のお子さんが実験をする場合は、必ず保護者の方の指導のもとで行ってください。いずれも簡単な工程ですから、ご安心ください!
「不思議な動きをする磁性スライム」を作ろう♪
子どもが大好きなスライム! そのスライムが、もし、動いたとしたら……?
ここでは、磁石を近づけると動く「不思議なおばけ」のようなスライムを作っていきましょう。
用意するもの
<道具>
・透明のカップ 2個
・割りばし 1膳
・磁石(磁力が強いネオジム磁石がおすすめ)
<材料>
・ホウ砂 10 g
・洗たくのり(PVA:ポリビニルアルコール入りのもの) 50 mL
・ぬるま湯 100 mL
・水 50 mL
・砂鉄 適量
※必要な道具と材料は、100円ショップ、インターネットなどで購入できます。
実験を始めるまえに
・ホウ砂を使用する場合は、目や口の中に入らないように注意してください。
・磁石を使用する場合は、くっつけるときに指などをはさまないように十分注意してください。また、保管する際も気をつけてください。
・まわりに磁石で壊れてしまうものや磁気を発するものがないか注意しながら実験してください。磁気を発するものがあると、思わぬ方向にものが飛んでいってくっついてしまうことがあり危険です。
手順
1. カップにぬるま湯とホウ砂を入れ、割りばしでよくかき混ぜる。
2. 別のカップに水と洗たくのりを入れ、割りばしでよくかき混ぜる。
3. (2)に(1)を加え、割りばしでよくかき混ぜる。
4. これでスライムのできあがり!
5. スライムに砂鉄を加えて、よくこねる。様子を見ながら、全体が黒くなるまで混ぜていく。
6. 全体が黒くなったスライムに、磁石を近づけてみよう。
【ポイント】
磁力が弱いときは、近づけた状態で少し待ってね。
目玉を作ってスライムにつけてみると、おばけのように愛らしくなりますよ。
スライムの上に磁石をおくと、まるでスライムが磁石を飲み込むような動きをします! 砂鉄の量やスライムのかたさを変えて、勢いよく動くように工夫してみてください。
実は、五十嵐先生のように科学実験を何度もやっている方でも、予想した通りにいかないことはたくさんあるのだとか。
でも、予想通りにいかなかったとしても、そこから得られる学びは大きいと、先生は語ります。そう、予想した通りにいかなかった原因を親子で話し合うのも、大切な学びのひとつ、なんですね! そして、成功したときも「なぜ、うまくいったのか」、その理由を考えることに意味があるのだそう。
もし、うまくいかなくても、ぜひ、何度もチャレンジしてみましょう。そのたびに、違ったスライムが誕生するので、面白いですよ♪
この夏は、親子で楽しく、レッツサイエンス!
写真/三村健二
\大好評発売中!/
『おうちサイエンス』
著:五十嵐美樹
五十嵐美樹
サイエンスエンターテイナー。東京大学大学院修士課程修了。東京大学科学技術インタープリター養成プログラム修了。2020年春より東京大学大学院情報学環客員研究員。ジャパンGEMSセンター特任研究員。国際科学オリンピック応援団。2021年度NHK高校講座「化学基礎」レギュラー出演。幼い頃に虹の実験を見て感動し、科学に興味を持つ。学部在学時に「ミス理系コンテスト」でグランプリを受賞後、自身が科学に興味を持つきっかけとなった科学実験教室やサイエンスショーを全国各地の子どもたちにむけて開催、講師を務める。科学館や小学校だけでなく、商業施設や地域のお祭り、お寺など幅広い場所でサイエンスショーを開催し、科学の一端に子どもたちが触れるきっかけを創り続けている。Great Explorations in Math and Science取得。また、大企業エンジニア職での経験を活かして理系女子キャリアイベントの講師としても活動し、理系女子未来創造プロジェクト理事を務める。女子を対象に理科教育などを実践する個人または団体を表彰する日産財団「第1回リカジョ賞」準グランプリ受賞。
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