【親子で学びたい!】自分も周りも傷つけない「SNSやネット」にまつわるルールとは?
「インターネットの世界にほうりつはない?」
「正しいじょうほうはどうやって見分ける?」
子どもにこんな風に聞かれたとき、なんて答えているでしょうか。
私たちは、社会規範や倫理観に基づいてリテラシー(物事の適切な理解・解釈)が形成され、SNSやインターネットを使っているかと思います。
しかし、社会経験の浅い子どもはその「リテラシー」が分からないまま使ってしまっているなんてことも。
実際に、最近では未成年がSNSで飲食店での迷惑行為を拡散して炎上する出来事が多々見られ、ネットリテラシーの未熟さだけでなく、子どもの頃にデジタルタトゥーが付いてしまうことが問題視されています。
今、改めて子どもと一緒に情報リテラシーを高める機会が必要なのかもしれません。
ここでは、長年テレビ局で働かれていた著者・山本一宗さんが、「情報社会から子どもを守るための決まりごと」について書いた『子どもコンプライアンス』より、今だからこそ親子で考えたい「リテラシーの高め方」をQ&A形式でご紹介していきます。
ぜひ、この機会にお子さまとSNSやネットの使い方を確認していきましょう!
意見が違うことは恥ずかしい?
まずは、こちらのQ&Aから。
意見は「人それぞれ」
まずは、「勇気を持ってみんなの前で意見を言うことは素晴らしいこと。」とお子さまに伝えられたらいいですね!
オンライン上だけでなく、学校の授業や学級会など色々な意見が出ることがあると思います。また、多数決で物事が決まっていく場面も多いので、自分の意見が少数派だと余計に恥ずかしいと思ってしまいますよね。
でも、人は色々な意見を持っていて当たり前。相手にとっても、ちがう意見を聞くことで「そんな意見もあるんだ」と気づきになります。
少数派の意見もしっかりと伝えること、また尊重することがリテラシーの第一歩になります。
SNSで友だちを募集してもいい?
SNSで交流することは楽しいけど危険の落とし穴もあるんだよと、今一度確認しておきたいQ&A。
「子ども」だと分かることや「友だちがほしい」などと書かないことが安全の第一歩
SNSやオンライン上では、簡単に世界中の人と交流できて楽しいことやおもしろいことがたくさんあるけど、子どもを狙った悪い大人たちがいること、子どもが様々な事件に巻き込まれていることなど、危険性を伝えることが大切です。
「ネットで、やさしく近づいてくる大人に本当にやさしい人はいない!」と思って教えるほうが、命や体を守ることにつながるのではないでしょうか。
また、SNSの「友だち」は自動で追加せず実際に会ったことのある人だけにする、自分のIDやQRコードはほかの人にわたしたりネットにあげたりしない、知らない人にいいね! やコメントはしない……など、親子でルールを考えられるといいかもしれませんね!
ネットの情報って信用できる?
最後に、こちらのQ&Aでネットリテラシーをもう一段階高めてみましょう。
SNSには「ウソ」もいっぱい……「誰が書き込んだのかな?」と信じる前に考えよう
SNSやネットの情報は、「ウソかホントかわからない」「ホントかもしれないけど確認されていない」ものを書き込んだり、広めても責任がはっきりしないことがたくさんありますよね。大人でも情報を判断することが難しいときがあるのですから、子どもはもっと難しく感じているはず。
例えで考えてみましょう。最初は「●●を飲むと病気に“かかりにくくなる”という研究が進んでいる」という書きこみだったのに、それが SNSで人から人へつたわるうちに「かかりにくくなる研究」が「治るらしい」というふうに間違って伝わること、だんだん「本当でないこと」に変わって広がっていくこともあるのです。
最近では、合成画像などを用いて偽の情報をネット拡散する「フェイクニュース」も頻繁に見られます。
SNSはだれでも自由に、名前を出さずにいろいろなことがはっしんできるからこそ、「事実」と「そうでないこと」をきっちり見分けることが大事になってくるのです。正しい情報の集め方、様々な情報を組み合わせて判断できるよう、お子さまと考えてあげてみてください!
最後に、著者・山本一宗さんはこんなメッセージを送っています。
「本書は、情報社会を生きる子どもたちに「情報を広く捉えて考える力」を育んでいただきたいという気持ちで書き進めました。ぜひ、大人のみなさんも「情報リテラシー」の力、SNSなどで見る情報だけに振り回されず、マスメディアが伝えることなど他の情報を重ね合わせて判断していただければと思います。」
情報社会では、国語や算数のようにネットリテラシーも必要。
親子で情報リテラシーを高めていきましょう!
イラスト/どんぐり。
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『子どもコンプライアンス』
著:山本一宗
山本一宗
1964年兵庫県神戸市出身。 1988年に讀賣テレビ放送(株) 入社。報道記者として神戸連続児童殺傷事件、 和歌山毒物カレー事件や金融機関再編などの取材を経験し、その後 「THE ワイド」 「情報ライブ ミヤネ屋」 プロデューサー、 「ウェークアップ!ぷらす」チーフプロデューサー、報道局統括デスクなどを歴任。
2019年より放送基準に基づく番組・CMの表現考査、 SNS利用指針作成などに従事。
2021年よりコンプライアンス総括責任者(総括役) として社全体の危機管理・考査判断を担当。2023年3月まで讀賣テレビ放送(株)ESG推進局専任局次長。