【憂鬱な月曜日に】今すぐ心が軽くなる! 精神科医が教える“ストレスフリー”に生きるコツ


「そういえば、最近笑っていないかも」「あれもこれも、疲れちゃった」……。
それ、あなたのせいではありません。

気づいていますか――? 明日をも知れぬ混迷の時代にもかかわらず、あなたは本当に頑張っているんです。
自粛を求められるこの3年間で、親しい友人や恋人にすら気軽に会えず、家族の心配をし、仕事をこなし……。あなたは、十分すぎるほど、これまで頑張ってきました。
でも、そろそろ心身ともに疲れや限界を感じている人も多いのでは? 

ここでは、「世界一受けたい授業」「マツコ会議」などでも話題の現役精神科医・藤野智哉先生の書籍『自分を幸せにする「いい加減」の処方せん』から、あなたの鬱々とした気分が、フッと軽くなる“思考のコツ”についてご紹介します。

 

自分で自分に「いいね!」をつけてみよう!

藤野先生の提言する「いい加減」とは、不真面目な「いい加減」ではなく、あくまで「ほどほど」「ちょうどいい」という意味。
わかりやすく言えば、「背伸びしない」「完璧を目指さない」「多くを欲しがらない」「つらかったら逃げる」ということなんです。

そう、嫌なことがあったら、ときには迷わず「逃げる」ことも大切。この、世知辛い世の中で「嫌なことがあったら目をそらしたり、迷わず逃げることも大事です」と、藤野先生。
そう、あなたを守ることができるのは、愛すべき、あなた自身なのです。

一方で、藤野先生は臨床の現場で「自分を肯定できない」人の多さに驚かされるそう――。
先生は「自己を肯定するという行為は『これができる』『あれもできる』と、自分のいいところを探して、その対価として肯定するというものではありません」と警鐘を鳴らします。

本当の意味での「肯定」とは“あるがままの自分を受け入れ、自分を認めること”にほかなりません。
「毎日それなりに楽しいし、幸せにやれている」と思えれば上出来! コツは、他人やライバルと“比べない”こと。藤野先生は、こう言います。

自己肯定感という自身の中で完結するはずのものの根拠に、他者の評価を持ち込んでしまう人のなんて多いことでしょう。
SNSなどで他者からたくさんの“いいね!”をもらえれば自信につながるかもしれませんが、自分らしさを失うことにもつながります。
大事なのは自分に“いいね!”をつけることです」――。
(p25より)

 

つらいときのリカバリー法は「推しの写真」!?

嫌なことがあった日、SNSを見てイラッとしたとき、胸が痛くなるニュースを見たとき……。
あなたはモヤモヤした思いを抱えたまま、日々を過ごしていませんか?

藤野先生曰く、つらいことが起きたときのリカバリー法について、「大切なのは、嫌なことつらいことがあったら、すぐに気持ちを切り替えること」と話します。
あまりにシンプルなメッセージだと思う人もいるかもしれませんが、このシンプルなことをきちんとできている人が、いったいどれだけいることでしょう!

あなたの中のネガティブな気持ちは、あなた自身をダークサイドに引っ張り込もうとします。
しんどくて、思考が抑制され、視野も狭くなった状態で思考を続けると、いったいどうなると思いますか? そう、ほとんど悪い方向へと考えが進むのです。たとえば、うつ病のときに大きな選択をしない、させないことが大切と言われるのは、このためです。

そこで、つらい気持ちを抱え続けないためのリカバリー法としておすすめなのが、イラッとした瞬間、天災のニュースを見た、その瞬間――すぐにスマホに保存しておいた恋人、推し、かわいい動物などの写真を見て、強制的に気持ちを切り替えること! これを、ぜひルーティン化してしまいましょう。

ちなみに、藤野先生は「嫌なことがあったら猫の写真」なのだとか(笑)。
ぜひ、騙されたと思って、スマホを片手にニヤニヤしてみてください。シンプルですが、効果は抜群ですよ!


(イメージ:写真AC)

 

「イライラ」をコントロールする裏ワザとは?

余裕がなくなると、誰もがイライラしがちになりますよね。近年では、アンガーマネジメントとして、「怒り」の感情のコントロール法が大きく注目されています。とはいえ、怒りの感情が沸くこと自体は仕方のないこと……。
ポイントは、「怒り」とどう付き合っていくか、ということです。

藤野先生は、ある有名な女性タレントがTwitterで「イライラした瞬間に、その感情をムラムラに頭の中で置き換える」という話を聞いて、大笑いしたのだそう!
つまり、「信号待ちが長くて、ムラムラした」「受付担当の要領が悪くてムラムラした」といった具合です。確かに、笑ってしまいますよね。

そこで、みなさんにおすすめしたい“藤野流”アンガーマネジメントのコツは、イライラを頭の中で「笑笑」に置き換えること。どこかの居酒屋のようですが(笑)、「ワラワラ」という字を思い浮かべるだけで気持ちがラクになると、先生のお墨付きです。
もちろん「ムラムラ」でもOK! 意識的に言葉を置き換えることで、自分を客観視することもできますし、気持ちを冷静に保つことができるようになることでしょう。

イライラではなく、「笑笑」や「ムラムラ」で毎日を楽しく過ごし(笑)、考えるだけ“損”となる「怒り」の感情から“ディスタンス”をとってみてはいかがでしょう?

(イメージ:写真AC)

『「いい加減」の処方せん』には、ご紹介したようなストレスフリーな生き方のコツのみならず、「自分を愛して幸せを呼ぶ習慣」をつけるための“魔法の心がけ”、明日から自分に優しくなれる“すこやかな睡眠習慣10”など、現役の精神科医ならではの、エビデンスに基づく心強いメッセージが盛りだくさん!

頑張りすぎて息苦しさを感じ始めているあなたのための「処方せん」として、手にしたその日から、効果を実感できることでしょう……。

この世の中は、『頑張れ! 頑張れ!』の大合唱。
みんなもう十分に頑張っているし、頑張りすぎなくていいのになと思うんですね。(中略)
さあ、今すぐ肩の力を抜いて、全力で脱力してください。いい加減の処方せん、ぜひお役立てください。
精神科医 藤野智哉(「はじめに」より)

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自分を幸せにする「いい加減」の処方せん
著:藤野智哉

コロナうつはぷかぷか思考でゆるゆる鎮める
著:藤野智哉

あきらめると、うまいくいく
著:藤野智哉

※本記事は、2021/09/02公開記事「今すぐ心が軽くなる! 精神科医が教える“ストレスフリー”に生きるコツ」より一部を加筆編集したものです。

精神科医
藤野智哉 (ふじのともや)

1991年7月8日生まれ。3歳、4歳、5歳のときに川崎病にかかり、4歳のときの川崎病の後遺症で冠動脈障害が残る。学生時代から激しい運動を制限されるなか、医者の道を志す。 秋田大学医学部卒業。現在は上林記念病院精神心療科勤務。「マツコ会議』(日本テレビ)、『バイキング」(フジテレビ)などに出演し話題に。日本精神神経学会所属。著書に『あきらめると、うまくいく』『自分を幸せにする「いい加減」の処方せん』『コロナうつはぷかぷか思考でゆるゆる鎮める』(共に小社刊)『「自分に生まれてよかった」と思えるようになる本』(幻冬舎刊)『「誰かのため」に生きすぎない』(‎ ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。
Twitter @tomoyafujino