「結婚を意識した途端、恋愛がうまくいかなくなるのはなぜ?」雨宮まみさん+栗原康さん対談【後編】


雨宮 栗原さんの本の中で光源氏のことについて触れていますよね。人の感情のあり方も人間関係の結び方もそれぞれの勝手であるはずなのに、仏教と儒教がそれを許さない。淫乱きわまりない源氏物語なんてそんな説教くさい教えにおいてはありえない話だったんだけど、本居宣長はそういった源氏物語への評価が許せなくて、淫乱はいい、それがないと生きていても意味がないと言った、ということが書いてあるんですけど……。本当に、光源氏ってすごいですよね。

栗原 すごいですよね~(ため息)!

雨宮 基本的に、あまり女性に受け入れられやすい物語じゃないはずなんですよ。源氏物語って。

栗原 男の身勝手がひどいですからね。

雨宮 これは厳しいよな~って話じゃないですか! だけどそこに真実味があるし、光源氏のような男の人、いますもんね。

栗原 いますね。ぼくのなかで、目黒の光源氏って呼んでいるヤツがいますよ。

雨宮 目黒の光源氏(笑)! ああいう男に振り回されたとき、源氏物語がすごく染みるというか。「ああ。出家か……」みたいな。だいたいみんな出家していきますよね。あの時代は源氏物語に限らず、出家オチってとても多かったんですよね。

栗原 源氏物語の中でも浮船なんて、男ふたりを弄んだのがばれて、やばい! と思って一回身投げをするんですけど、結局助かって。生き残ったあとお坊さんに助けられて出家するんですよ。
で、出家したあとの浮船って、超強いんですよ! 男が言い寄ってきても、「わたしは出家したから現世のあなたたちには興味ありません」と言って、女性側がどんどん男を完全にふっていく。

出家することが、男と対峙する上では、女性にとってのひとつの武器となっていたんでしょうね。その話が源氏物語の一番最後に出てくるところも含めて、源氏物語っていいなと。

雨宮 生きるってなんなのか。わたしたちを不自由にしているものは一体なんなのか。この息苦しさはなんなんだろう……普段なんとなく感じていたことの答えが栗原さんの本に書いてあるなと感じました。

栗原 失敗談ばっかりかもしれません(笑)。

雨宮 それがまたいいですよね。

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