最小限のモノしか持たない暮らし“ミニマリズム”とは?


書籍ができあがって、手に取られた時はどんなお気持ちでしたか?

すごく嬉しいはずなんですけど、意外と落ち着いていました。その前の追い込みで自分の力の全てを出しきったので、空っぽになっていたんです(笑)。あと、この本を書くことで、自分の悩みがほとんど解決したんです。執筆してアウトプットしたから、自分の中でいろいろなことが整理できたんですかね。だから読んでいると「こんなに悩んでいて大変だね」って思います(笑)。他人事みたいになっちゃうんです。僕自身はこの本を作る過程で大分すっきりしたので、今は清々しい気分です。

ミニマリストという暮らし方についてお聞きします。書籍には、最初はモノを何でも残しておきたいタイプで、部屋が汚かったとあるのですが、何をきっかけにミニマリストになられたんですか?

一番部屋が汚くて、汚部屋状態だったのが2008年頃。その後、断捨離ブームの影響もあり、少しずつモノは少なくしていたんです。その後、沼畑さんから「ミニマリスト」という言葉を初めて聞いた時に検索してみたら、最小限のモノしか持たずに生活している人の画像を見つけて。それを見た時に感じた「自由さ」が、ミニマリストになる一番のきっかけだったと思いますね。

<Before>
before

<After>
after

最初は、いろいろな思い入れがあるモノを捨てるのに抵抗がありましたか?

抵抗は普通にあります。それは普通の人と同じくらいあるんです。むしろ抵抗だらけですね。例えば、テレビはなかなか捨てられなかったんです。映画が好きだったんで、最後まで残っていましたね。でも、テレビは捨てて本当に良かったです。

抵抗はあるんですね。じゃあテレビを捨てられて、どういったところが良かったのですか?

今スマホは、ほとんどの人が持っていますよね。持っているだけで必要以上に触ってしまうので、意外と時間をとられてるんですよ。ただ、スマホは持っていなかった時代もあったので、スマホに時間をとられているということがわかりやすいんです。でもテレビは、僕たちの世代だと生まれた時から家にあるモノですよね。だから、捨てて初めて、こんなに時間をとられていたのかと気づきました。テレビを捨てた後も、家に帰ったらまずリモコン探していましたもん。帰宅したら、とりあえずテレビをつけるという一連の流れが染みついちゃっていたんですよね。

最後に、この本をぜひ読んでいただきたい、何かに悩んだり停滞している方に向けてひとことお願いします。

自分自身も、モノを減らすことだけでこんなにもいろんな変化があるとは思ってなかったんです。モノを捨てることから始まって、こんなにいろいろ変化があるんだと本当にびっくりしています。ちょっと人生上手くいかないなーとか、誰かと比べて自分には足りないものがあるなとか、そういう悩みがある方は、モノを捨ててみると意外と解消することがあるので、ぜひ一度捨ててみてほしいなと思います。

『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』

●Minimal & ism ミニマル&イズム
http://minimalism.jp/


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