【INTERVIEW】山崎紘菜/dTVオリジナル『アイアムアヒーロー はじまりの日』で挑んだ演技とは?
dTVにて現在独占配信中のオリジナルドラマ『アイアムアヒーロー はじまりの日』に出演している山崎紘菜。映画『神さまの言うとおり』『orange』『MARS〜ただ、君を愛してる〜』など、話題作に出演が続く彼女が、今作にいかに挑んだのか?
撮影/中根佑子 文/渡邊美樹
――原作マンガがある作品ですが、マンガはご存知でしたか?
「知ってはいたんですが、読んだことはなかったです」
――オリジナルドラマへの出演が決まった時はどう思われましたか?
「もともと、マンガそのものも気になっていて、読んでみたいなって思っていた作品ですし、映画化するっていう話も聞いていて、絶対に観に行こうって気になっていたものだったので、こういう形でかかわらせて頂いて凄く嬉しかったです」
――映画があることを知ったあとでの出演だったんですね。
「そうです」
――前日譚を描くという内容ですが、その時はどんな想像をされましたか?
「出演のお話を頂いてから、マンガを読ませて頂いて。もっと早く読めばよかったなってくらい面白い作品だったので。映画に繋がるいい作品になればと思いました」
――ドラマ拝見しましたが、フェイクドキュメンタリータッチで普通の作品とはちょっと違いますよね。この作品に出演するにあたって、大変だったところなどはありましたか?
「ドキュメンタリータッチの作品って普通の撮影の現場とは違いましたね。ひとつのカメラで撮っていて、ちょっとしたタイミングだとか、人の動きとかも凄くカメラマンさんと監督で相談しながらやっていく現場だったので、タイミングとか、動きが凄く難しかったです」
――自分でどう写っているのか、これでいいのか? って思いますよね。
「そうですね。でもアイドルという設定なので、自分のかわいい角度とかを知っているだろうなって思ったので、そういうのを意識しながらお芝居をしていました」
――でも、自分でカメラを持って演じるって、色々お芝居以外にも考えなくちゃ行けないところもありませんでした?
「実際にカメラや携帯を持っている風に撮影するので、カメラを触りながらお芝居をしてて」
――なるほど! 携帯画面風だけど、私達が見ている画面はちゃんとしたカメラなんですね。
「はい。普通のカメラで撮っていたのが、新しい経験でした」
――普通やらないですよね! 想像すると変な光景ですね。
「あと、狭いバスの中での撮影だったので、本当に必要最小限のスタッフさんしか乗れなかったんです。なので、よりスタッフさん達の一体感はありました」
――ドラマの中では、色んなパートがありますが、どの撮影もそれぞれ行われたんでしょうか?
「そうですね、長澤まさみさんが出ているパートもありましたが、別でした」
――では、完成した映像を観て、こういうものになっているのかっていうのを観たということですか?
「はい。台本ではこうなるんだっていうのはわかっていたんですが、こういう風な作品になっているんだなっていうのは、完成してから感じました」
――台本って、ドキュメンタリー風な作品の場合、どうなっているんですか?
「普通の台本ですよ。ドキュメンタリータッチでも、他の作品とかわりはなくて。でも、監督が、『セリフは書いてあるけど、ないものと考えていいから』と、ご指導頂いて、ちょっとしたセリフとかは自分で考えたりしました」
――今回監督を務められたのは、フェイク・ドッキュメンタリーを得意とされる長江俊和監督でしたが、この作品ならではという演出があったんでしょうか?
「そうですね、実際、台本にも私のセリフ自体はそんなになくて、アドリブとか、リアクションとかは、自分で考えたりとか、監督と話し合いながら、台本にないところを一緒に埋めていくような現場でした」
――何か、作りこんでいくというよりも、現場で起こったことを記録するというような感じでしょうか?
「そうですね。凄くリアリティを追求されている監督だったので、私もお芝居がリアリティのあるようにっていうのは凄く気をつけました」
――でも、バスの中でZQNに襲われたら、リアリティの想像の域を超えるパニックですよね。
「そうですね。狭い空間なので、よりパニックになると思います」
――見ていて、怯えるとか驚くとか感情が高ぶる演技が、凄くエネルギーを使うなと思ったのですが、ご自身で演じてみていかがでしたか?
「そうです ね、ZQNと遭遇した時のお芝居っていうのは、アイドルであるエリスという役とは違って、どんどん人間味がでてくるというか。アイドルという仕事上の仮面が、恐怖に直面したらはずれて、アイドルではいられないと思ったので。そこは結構、最初のアイドルらしいシーンと、巻き込まれていく過程で、どんどんひと りの人間になっていくっていうのは意識しました」
――こういう、パニックムービーとか、ホラーは、普段からご覧になりますか?
「私、ホラーとかちょっと苦手なんです」
――今回の作品、完成されたものをご覧になっていかがでしたか?
「私は、もちろん台本も読んでいるので結末も知っていましたし、撮影現場も知ってるんですけど、完成したものを観たら想像以上にZQNが怖くて。映像も凄くリアルなので、自分がその場にいるような、感覚でのめり込んで観てしまったので、凄く衝撃でした」
――ドラマは、映画の前日譚にあたるわけですが、映画の方はご覧になりましたか?
「映画も観ました」
――また、ドラマと映画と温度感が違ってくるのでは? と思っているのですが。
「結構、映画の方は生き延びるっていう方に、焦点を当てているんですけど、このドラマは、なんで? どうして? っていうところに焦点が当てられているドラマ だと思うので、きっと、このドラマを見たら映画に対する理解も高まると思いますし、映画を観た後にこのドラマを観ても、また違う角度で見れると思います」
――最近、山﨑さんの出演作を拝見しますと、原作がある作品で、しかも強めのキャラクターを演じられているのが多いなという印象があったんですが、今回においてはアイドルっていう、また違った独特さのあるキャラクターだと思いますが、演じてみていかがですか?
「結構自分とはかけ離れている役だったり、個性の強いキャラクターだったり、マンガの実写化っていうのに携わらせて頂くことも凄く多いので、原作の世界観を壊 さないようにっていうのを強く意識しています。アイドルっていう自分とは全く正反対の役をやる時に、最初はイメージをするのが難しくて、最初は自分でもや れるのかな? っていう不安は大きかったんですけど、この作品を一つひとつ乗り越える時に、自分の中で発見があったり。自分の殻を破れる瞬間があるので、 どんどん、色んな役に挑戦していきたいなって思っています」
――今回の役柄、アイドル役は見ていて違和感はなかったですが、大変でしたか?
「私、アイドルについてそんなに詳しくないので、色んな動画を観たりとかして研究しました。どっちかというと、クールな系統な役が多かったりするので、こんなに可愛い感じの役をやったこともなかったので、凄く不安でしたね」
――アイドルは、また独特ですよね。今回、dTVを普段から見ていると聞きましたが、どんな時にご覧になりますか?
「色々、どこでも観られるっていうのが、こういうサービスのいいところで、仕事で移動時間が長ったりとか、地方ロケで、家にいない時とか、色んな作品を手軽に見れるので、なかなか家にいない時とか、レンタルショップに行く時間が無い時に、凄く利用しています」
――映画を見るのがお好きとのことですが。
「なるべく色んな作品を観て勉強しようと思って、色々見るようにしています」
――じゃ、自分に取り入れようっていう意識で観ているんですね。
「そうですね、お芝居の勉強として見るようにしています」
――今後、こうなりたいっていう目標などはありますか?
「主演ができる女優さんになれればと思っています」
――色んなタイプの女優さんがいると思いますが、こんな役をやってみたいとか、ありますか?
「一人二役の役をやってみたいなっていうか。双子の役とか。で全く正反対のキャラクターとか。凄く振り幅が広がると思うとので挑戦してみたいと思っています」
■プロフィール
山崎紘菜/やまざきひろな
1994年4月25日生まれ。千葉県出身。第7回「東宝「シンデレラ」オーディションで審査員特別賞を受賞。その後、12年に『僕等がいた』で映画初出演を果たす。主な出演作に、ドラマ『高校教師』『監獄学園-プリズン・スクール-』、映画『今日、恋をはじめます』『神様の言うとおり』『野のなななのか』『 orange-オレンジ-』などがある。6月18日『MARS〜ただ、君を愛してる〜』、秋には『金メダル男』が公開予定。
■作品紹介
dTVオリジナル「アイアムアヒーロー はじまりの日」
映像配信サービスdTVで独占配信中
http://video.dmkt-sp.jp/ft/s0005015
監督/長江俊和
原作/花沢健吾「アイアムアヒーロー」(小学館「ビッグコミックスピリッツ」連載中)
出演/長澤まさみ 霧島れいか 浅香航大 山崎紘菜 塩見大貴 ほか
衣裳協力:トップス¥16,000、スカート¥18,000(ともにThe Dayz tokyo/The Days tokyo 渋谷店︎03-3477-5705)
その他/スタイリスト私物