【後編】宝塚歌劇団 小柳奈穂子さんインタビュー

【後編】宝塚歌劇団 小柳奈穂子さんインタビュー


―そして、続いたのが「問題を解決するのが好きというか。これはどうしたら解決できるのか、考える作業が好きなんでしょうね。部屋の片付けや整理整頓も好きなんですけど、それに近い感覚というか」という言葉。

「悩んでいた20代の頃、ブレイクスルーになったのが佐藤可士和さんの『佐藤可士和の超整理術』なんです。
彼はクリエイティブディレクターという、クリエティブな仕事をしているけど、やっていることは整理整頓なんだよと。

私は、毎回ひとつの作品ごとに一冊ノートを作るんですけど。まず、作りたい場面、やりたい場面をポストイットに書き出すんです。それを整理しながら幕ごとにノートに貼っていく……演劇もまた整理整頓。

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それがその頭が整理される、小柳先生独自の演出家ノート。これは来年舞台化される『幕末太陽傳』のもの。
下は、10minノート。これでやることリストを「見える化」している。やりおえてはがすときの気持ちよさもあります(笑)

 

演出家というとアーティスティックなイメージを抱きがちだけど、そうじゃないアプローチもあるんですよね。世の中では“才能がないわ!”と悲観している若者もいるかもしれない、でも、こんな演出家もいるんだよと。そんな人達の希望に星になれたら、嬉しいですよね(笑)」

 

【PROFILE】
小柳 奈穂子(こやなぎ・なおこ)
宝塚歌劇団 演出家

東京都出身。1994年4月、宝塚歌劇団入団。2002年宝塚バウホール公演『SLAPSTICK』でデビュー。2013年『Shall we ダンス?』や、2015年『ルパン三世』の舞台化では、多くの観客の支持を得て、そのエンターテインメント性の高い演出で評価を得ている。

宝塚歌劇 オフィシャルサイト
https://kageki.hankyu.co.jp/

小柳奈穂子さん次回作

マサラ・ミュージカル
『オーム・シャンティ・オーム -恋する輪廻-』
©レッド・チリズエンターテイメンツ
©アジア映画社

脚本・演出/小柳 奈穂子

東京国際フォーラム ホールC
2017年1月6日(金)~ 1月18日(水)
2007年にインド国内で大ヒット、その後世界各地で上映され、多くの映画ファンに愛されているインド映画の傑作『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』。監督はボリウッドのトップ舞踊監督ファラー・カーン、主演は“キング・オブ・ボリウッド”ことシャー・ルク・カーン、ヒロインは本映画への出演をきっかけにボリウッドのディーヴァとなったディーピカー・パードゥコーンが務めるなど、まさにボリウッドの粋を極めたこの映画の舞台化に宝塚歌劇団が挑みます。

舞台は1970年代と現代のインド映画界。脇役俳優のオームは人気女優シャンティに恋をするが、彼女は密かに敏腕プロデューサーのムケーシュと結婚、妊娠していた。しかし彼女の存在を疎ましく思い始めたムケーシュが、事故に見せかけてシャンティ殺害を計画。現場に駆け付けたオームは、彼女を助けようと奔走するが、事故に巻き込まれ命を落とす。それから30年後。あの事故の日に生を受け、奇しくもオームと名付けられた男の子が、スター俳優となり映画界に君臨していた──。

時を超えてもなお変わらぬ愛の姿を、明るく楽しく歌い踊って描き出す、最高にハッピーでドラマティックな物語を、星組新トップコンビ紅ゆずると綺咲愛里を中心にお届け致します。  

http://kageki.hankyu.co.jp/revue/2017/omshantiom/

 

 


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