【推し活煩悩】オタクは「ドパガキ」か否か
「ネット中毒」は名前を入れ替え、存在し続ける

というわけで、私の結論はこうなる。
ドパガキは新種ではない。ドーパミン中毒の人間はずっと存在していて、オタクはその最古参の一派であり、私はショート動画より十年早くドパガキをやっていた。
ドパガキと呼ばれる若者たちがやっていることは、我々がチェキとタレコミを「スワイプ」していたことの、尺が短くなって、反芻が抜け落ちたバージョンである。
我々は過集中型ドパガキであり、彼らは拡散型ドパガキだ。
同じ中毒の、注意の向きが違う二つの種類なのである。
ただ、ここで一つ気付いたことがある。
我々オタクは、ドーパミン中毒を「推し活」と呼び換えることで、ここ十年で市民権を獲得した。博報堂がレポートを出し、企業が推し活市場を計算し、「推しは生きがい」と六十九パーセントが答える。中身は同じドーパミン中毒である。名前が変わっただけで、やっていることは何も変わっていない。
だとすれば、ドパガキも「ドパ活」と呼び換えれば、十年後には市民権を得ているのだろうか。
あるいは、名前がつくというのは「治すべきもの」になるということでもある。ドパガキという言葉が生まれたことで、初めて私に名前がついた気がする、と書いて締めたかったのだが、正直なところ、そうでもない。
私はこの脳の仕様で二十年以上生きてきて、それを病だと思ったことはあっても、ガキだと思ったことはないからだ。
……いや、これも嘘。脳内物質に振り回されているうちは、まだまだガキだなと思うことはちょっとどころか、結構ある。
治せるもんなら治したいけど、それでもオタクは楽しいから、治さないのだ。
※オタク文化のリアリティを追求する本連載の特性を鑑み、表現の意図を尊重して掲載しております。本文は著者の見解に基づく内容であり、著者及び弊社が読者の皆さまに推奨する行為、意向ではございません。
illust./イラストAC
*次回の更新は11月25日(水)予定です。
山野萌絵(めりぴょん)
ライター/コラムニスト。オタク。はてなブログや文学フリマで好き放題書いていたところ、なぜか2019年に商業連載デビュー。普段はnoteや同人誌で活動中。
X(旧Twitter) @_a030
note https://note.com/13weekslaterep








