はじめての「DIY」

はじめての「DIY」


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これは、いろんなものを手放し、
身も心も身軽になったミニマリストが、
「やりたいこと」に挑戦していくお話。

ぼくは明日死んでしまうかもしれない。
だから「やりたいことはやった」
という手応えをいつも持っていたい。

いざ、心の思うままに。

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「DIY? あれでしょ、大人が無駄な創作意欲を発揮して、いらない棚とか作って、その上に完成度の低い額縁を作って飾るやつでしょ?などと今まで鼻をほじりながら考えてました。ごめんなさい。

 

DIYを学びたいのは、軽トラキャンパーを制作するため。いつかは家も自分でセルフビルドしたい。DIYはワークショップで少しずつ覚えていましたが、ついにそれを実践するときが来たのです。

大人が創作意欲を発揮して何が悪い!!

違いのわかる材料集め

まず簡単な図面を書きます。
構造は、コーナンで売っていた棚をパクった参考にしました。

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柱に切り欠きを作り、そこに板をはめ込むシンプルな作り。
必要な素材を書き出し、愛車の軽トラでホームセンターに駆けつけます。

12mmの厚さのOSB合板(木材の寄せ集めで作られたかっこいいアレ)を1枚。
そして柱となる27mm×60mmの材を選びます。

なるべく歪みのない材を選ぶのがポイント。
材を手に取り、片目で歪みを見る俺。ついに違いの分かる男になってしまったか……。

 

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こうして見ると、右に歪んでいるのがわかりますね。
結果、店には歪んでない材がなかったので、適当に選んで買いました。

 

柱は3mもあるので、軽トラに木材を慎重に縛りつけます。

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そして今回の機材。

インパクトドライバー!!

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ドライバードリル!!

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マルノコ!!

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腰袋!!(形から入るのが好き)

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形と機材、やる気だけは充実している様子。

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憧れの「えんぴつを耳の上にかける」スタイルをしたかったがメガネがじゃまして載らないんですね!

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しかし、刈り込みすぎて「タクシードライバー」みたいな髪型やな。

 

まずは、OSB合板を切ります。墨つぼ(張った糸をはじいて、まっすぐなラインを引くもの)を使って墨付けをします。

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想像以上に綺麗なライン。

板より少しだけはみ出るようにマルノコの刃を出して切ります。

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マルノコは、気をつけないと指が飛んでいったり、太ももざっくりしたりする危険な道具なので、全神経を集中させて使います。

緊張させつつマルノコのロックを外し、スイッチを握る。
「ゆけっ!! マルノコ!!」(ポケモンやったことないので想像ここまで)
マルノコのすさまじいパワー!! あたり一面に木くずが、ラルクの曲のように降り注ぎぎます。

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あっという間に1枚の合板を切断し、貫禄が出てきたマルノコ。

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マルノコ「あぁ、OSBちゃん、なかなか具合よかったよね
さっきがデビュー戦だったくせにね!

合板を「クランプ」という道具で4枚重ねて、一気に切ります。

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これですべての棚の大きさがきれいに揃うわけですね。

続いて柱部分の切断。ここまで調子よく進んでいたのですが……
硬い節の部分を切っていたら、ガギィ!! と嫌な音を立ててマルノコが止まる。

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マルノコはキックバックという現象が起こると、作業者に跳ね返ってくるので結構危険です。

マルノコをよく見ると、切った材がはさまって止まったようでした。こんなこともあるのか……。

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頼りになる仲間たち

初心者なので
「こんな普通の木切ってただけなのに、DIY……まじ怖ぇ
となんだか暗い気持ちになってきます。

「ほほほ……どうやらわしの出番ですかのぉ」
「その声は……ノミさん!!(ノムさんのイントネーションで)来てくれたんすか。なんか俺、電動工具ばっかりに頼っちゃってて、その、なんかすいません」
「まぁ、時代のながれよのぉ……下がっていなさい」

ノミさんは流石のいぶし銀の仕事をしてくれる!!

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しかし、まだまだ切るべき材はあり、さきほどのようなことが起こったらいやだなーと思い。

「なんやピーチクパーチク。おちおち、昼寝もできんの〜」
「その声は……スライドマルノコ先輩!?

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スライドマルノコ先輩は、土台に固定されているのでキックバックの心配もないし安定した仕事ができます。しかしその図体の大きさ、大仰さはミニマリストDIYERとしてどうなの? と、ケツ持ちを頼むのは憚られていたのです。しかし……

「こんな奴は…こうじゃ!!」

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「一刀両断っ!!……えげつねぇ、この人だけにはさからっちゃいけねぇ……」
『闇金ウシジマ君』の肉蝮を見るような目線を投げかける俺。

 

スライドマルノコ先輩(スラ先)が来てくれたおかげで、仕事も捗る捗る。
柱に切り欠きを作るのも、切り込みの高さを固定して、何度も切っていき……

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残りの木をペリペリと折って……

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そこをノミさんで削っていくと……(超気持ちいい瞬間)

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このように、きれいな切り欠きの出来上がり。

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こうして一心不乱に切り欠きを作っていく俺。
辺り一面に、真っ白な粉雪のように、鮮やかに色褪せた木くずが降り注ぎます。

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柱も完成!!

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恐るべき完成度

そしてビスでとめていくのですが、その前にひと仕事。ドリルドライバーで下穴を先にあけて、細い板がビスで割れないようにしておきます。

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そしてインパクトドライバーでビス止め。

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下穴があるとするすると進んでいきます。
非常にスムーズ。インパクトドライバーの修行をしたせいかがあったぜ……。

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修行の跡。

そしてついに完成!!

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あれ…

これは……

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完成度高くね!?

これ、あれじゃね!?  NORTH FACEの店舗とかで使われてるやつじゃね!?

 

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工業的な無骨なマークが、インダストリアルなブルックリンのリアルを醸し出してね!?

 

直角も出てる!

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切り欠きもぴったんこ!

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もちろんサイズもばっちり収まりました。これがDIYのいいとこですわな。

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そっかー、ついに棚とか作れちゃうようになったか〜。

ミニマリストとしては「まず収納を捨てる」ことが大事だと言ってきたんですけどね! これから「何々、収納に困ってる? 棚つくったげよっか?」とかぼくが鼻息荒くしてたら、君がそっとたしなめておくれ。しばし完成の余韻に浸っていたのですが、片付けるまでがDIY!

降り注いだ夢の欠片を拾い集め、そっと口づけ。その代償は悲しみに縁取られたGUILTY。(訳:木くずを片付けていたら、口に入ってむせた。げんなりした)

 

【棚を作るコツ】
最初の図面が大事! でも臨機応変に。
細い材を止める時は、下穴をあけよう。
マルノコを使うときは全神経を集中!!

Written by sasaki fumio
sasaki fumio

作家/編集者/ミニマリスト 1979年生まれ。香川県出身。出版社3社を経てフリーに。2014年クリエイティブディレクターの沼畑直樹とともに、『Minimal&Ism』を開設。初の著書『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』(小社刊)は、国内16万部突破、22ヶ国語に翻訳される。新刊「ぼくたちは習慣で、できている。」が発売中。

»http://minimalism.jp/

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