『お坊さんバラエティ ぶっちゃけ寺』出演で大人気!


この本の中に出てくる「幸せになりたい」などの欲を表す習字もインパクトがありますね。

全部で60枚くらい書いたのですが、書いていくうちに気が狂いそうでした(笑)。

「幸せになりたい」とか「私は悪くない」とかって、欲を出す悪い言葉じゃないですか。

我々お坊さんはこういう気持ちを上手くコントロールしなければならないと考えているので、なかなか思いつかないんです。「お金さえあれば」って書いているシーンだけは絶対に撮らないでほしかったです(笑)。「欲」をあらためて考える機会にもなりました。

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サブタイトルの「平成の一休さん」も泰丘さんのイメージにピッタリですよね。

出演させていただいている番組「ぶっちゃけ寺」(テレビ朝日系列)の共演者やスタッフの方からもこの「平成の一休さん」というフレーズが合っていると好評でした。

一休さんは、偉そうにしないところがすごいと思います。あの時代のお坊さんは、時代背景から権力者に結びつかざるを得ないということが多かったのですが、それにも関わらず一般の人と一緒に作業をしたり汗水流して教えを説いていたりして、視線を落として民衆の立場に立っています。

晩年も民衆に寄り添って、偉ぶるという部分が見えてこないのがすごい。しかも、アニメで有名な一休さんのとんち話って一休さんが亡くなってから200年後に出来ているんです。それだけスパンがある中でよく一休さんの思想を書けたなと思います。一休さんのように、今から400年後に知られている人物っているのかなって思います。

一休さんといえば、「このはしわたるべからず」の話がとても有名ですが、本当の話なんですか!?

一休さんのとんち話はほとんどが作られた話です。でも、一休さんの“言葉にとらわれない”という思想があったからこそ出来たものでもあるんです。

お地蔵さんにおしっこをかけたという説がありますが、実はこれ、「民衆を救うはずのお地蔵さんなのに、お地蔵さんを奉ってお供え物などを用意することが民衆の重荷になり苦しみを与えてしまっていたら本末転倒だ」という裏の意味もあるんです。

なので、昔は何気なく観ていた一休さんを今見ると、ただ単に「面白い」ではなくて、「仏教の教えなんだな」と感じます。大人が観ても味わい深く、一休さんには多くのことを教えられます。

最後に、読者の方にメッセージをお願いします!

仏教は宗教だから、ちょっととっつきにくかったり、強制されたり、怒られたりするイメージがあると思うんですけど、この本は「仏教ってお得ですよ」っていう本なんです。

ラーメンに例えるとしたら、ラーメンの作り方ではなく美味しさを教えているようなものです。まずは「仏教っておもしろいんだ、楽しいんだ、役立つんだ」ということを知っていただく本です。

知って損はないので、仏教に興味がない人でも、自分が落ち込んだときに都合よく解釈する方法が書いてありますから、宗教だということにとらわれずに読んでもらいたいです。

僕はお坊さんの中でも若い方なので、真面目に仏教を語るのは先輩方の方が説得力があって適任なんです。だから僕ができることは、仏教に全く関係ない人が「なにこれ?」と興味を持ってもらえるようにする、その部分じゃないかなと思っています。

この本も仏教に関係なくただ面白いと思って読んでいただいて、気が付いたら仏教を学んでいる、そういう1冊になれば嬉しいです。少しでも仏教に興味を持ってもらえるきっかけになればいいなと思います。
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『平成の一休さんのポジティブ・トンチのすすめ 人生はブレていい。』

 

 

 


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