今年のホリデーシーズンは“北欧式”に過ごしてみる? 『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』著者に聞く、豊かな時間の過ごし方


料理はがんばりすぎなくていい!?

――現在はご家族で日本に戻ってきていらっしゃいますが、いま、日本でも実践している“北欧式”のライフスタイルについてお聞かせください。

桒原:たくさんあるのですが、まずは食事ですね。たとえば、北欧では金曜日はメニューを決めている家庭が多いんです。多いのはピザかタコス。「なぜピザとタコス?」と思う方も多いかと思いますが、どちらも子どもから大人まで大好きなメニューだから、のようです。日本でいうカレーライスみたいな存在なんでしょう(笑)。

そんなふうに、週に一回でもメニューが決まっていると、献立を考えなくていいので、家事が少し楽になるんです。
そこで、わが家でも毎週金曜日は“ピザの日”にしています。時間に余裕がある日は自分たちで作ることもありますが、ほとんどは冷凍ピザを買ってきたり、デリバリーピザをお願いしたり……。「料理はがんばりすぎなくていい」というのも、北欧から学んだことのひとつですね。

▲夫の母からは、いろんなスウェーデン料理を教わりました。同時に、がんばりすぎなくていいということも。

――それは、すぐに取り入れられる、ナイスなアイデアですね! では、そんな北欧の人たちの暮らしの中でもっとも衝撃を受けた、あるいは影響を受けたことは何ですか?

桒原:やっぱり、生活の軸が“仕事”ではなくて“自分の生活”にあるところかなと思います。家族との時間や自分の時間を大切にしていて、それが当たり前のことであるという考えを、みんながみんな、持っているんです。たとえば、1ヶ月の夏休みがあり、家族で旅行を楽しんでいたり。たとえ仕事が残っていても、終了時刻になれば、真っ先に家に帰ったり(笑)。

日本にいると、自分のことはついつい後回しにして頑張ってしまいがちなので、自分を優先するのが当たり前だと考えている北欧の人たちの生活ぶりを見るといつもハッとさせられますね。

▲庭にパラソルを立てて、緑の中でティータイム。

――それは、いまの日本での暮らしでも生かされていらっしゃるのでしょうね。

桒原:北欧の人たちは、夏にはバーベキューをしたり、朝ごはんやおやつを外で食べたりと、とにかく天気がいいあたたかい日は外で過ごすんです。北欧は冬が長く、天気が悪い日も多いので、太陽が貴重だというのが理由のようですが、なにより「気持ちいい!」というのも大きな理由だと思います。

そこで、わが家でも、家をリノベーションする際に夫が「ぜったいに作りたい!」と、ダイニングからすぐに外に出られるデッキを作りました。晴れている日は、そこでよくコーヒーを飲んでいます。外にいると風を感じたり、鳥が空を飛んでいるのが見えたりして、とても気持ちがいいんです。すっかりお気に入りのスペースになりました。そんなふうに、毎日の生活の中に、うまく自然を取り入れるのが、北欧の人たちはとても上手なんです!

▲わが家のデッキ。景色を楽しみながらゆっくりしています。


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