今年のホリデーシーズンは“北欧式”に過ごしてみる? 『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』著者に聞く、豊かな時間の過ごし方


今年も、あっという間にホリデーシーズン間近――。例年ならば、道ゆく人の足取りも軽やかで華やかな時期ですが、コロナ禍のなか迎える初めての年末年始は、いつもより「おうち時間」が増えそうな予感……。そのため、もともと冬が長く家で過ごす人の多い、北欧の人々の幸せで豊かな“巣ごもり”時間をあらわす「ヒュッゲ」というデンマークの言葉が取り上げられるのを、目にする人も多いのではないでしょうか?

そんな今だからこそ――! 私たちに“豊かな時間の過ごし方のヒント”を教えてくれるのは、『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』の著者・桒原さやかさん。

桒原さんは、「イケア」、ウェブメディア&ショップ「北欧、暮らしの道具店」と、北欧にゆかりの深い会社で働き、大好きな北欧旅行を重ねたあと、遂にはスウェーデン人である夫と一緒にノルウェーに移住! 実際に、現地で北欧の豊かな自然や暮らしをたっぷりと経験し、現在は長野県松本市で、北欧で学んだヒントを詰め込んだ築40年の古家をリノベーションしたお宅に、ご家族で暮らしていらっしゃいます。

さあ、そんな桒原さんに、北欧の暮らしや、今こそ聞きたい、北欧ならではのホリデーシーズンの過ごし方について、お話しいただきましょう!

衝撃を受けた、北欧の人たちの豊かな暮らし

――最初に、桒原さんが北欧に興味を持った “きっかけ”についてお聞かせいただけますか?

桒原:北欧に出会ったのは、大学を卒業してからイケアで働きはじめたことがきっかけでした。ちょうどそのころは、日本でも北欧ブームがはじまるタイミングで、雑誌でも北欧の暮らしやインテリアを紹介する特集がたくさんあったんですが、そのときの私はまだ北欧に行ったこともなく、「本当にそんなに素敵な世界があるんだろうか……?」と、実はちょっと半信半疑でもあり――(笑)。

そんなとき、勤め先のイケアで知り合ったのが、スウェーデン人の現在の夫。はじめて夫に連れられてスウェーデンに行くことになり、実際に目の当たりにした北欧の人たちの暮らしぶりに衝撃を受けたんです! どのお宅にお邪魔してもインテリアは洗練されていてセンスがよく、仕事に追われていなくて自分や家族との暮らしを楽しんでいる。そんな北欧の人たちの生活を見て「どうしたらこんな暮らしが送れるんだろう……?」 と、興味を持つようになったんです。

▲スウェーデンに帰省した際、お邪魔した友人宅。大きな窓が印象的なおうち。

――実際に現地を訪れての衝撃、だったのですね! お勤め先のこともあり、もともと北欧に詳しかったのかと思っていました……。では、実際の移住はもちろん、これまでどれくらい北欧へ旅行されているのですか?

桒原:はっきりと数えたことがないのですが、北欧に行ったのはこれまでで15回くらい、でしょうか。夫の実家に泊まらせてもらうことが多く、2週間から1ヶ月くらい滞在して、実家を起点にフィンランドやデンマークなど、北欧各地を旅行するのが楽しみなんです。今年は残念ながら行けないのでさみしいのですが……。

▲デンマークのコペンハーゲンにて。こだわりのコーヒーが飲めるカフェもあちこちに。

北欧の中でも、北のほうにあるラップランド地方を訪れたときは驚きました。湖のまわりに何十匹ものトナカイがあたりまえのようにふつうに生活していたり、この世のものと思えないくらい空が澄んでいてきれいだったり! 冬になるとオーロラが空を舞って、街はすごく静か。人もとてもゆっくりしているんです。「こんな北欧もあるんだ……」とびっくりしました。ちなみに、私が実際に住んだノルウェーのトロムソは、北極圏にあるのに、居心地のいいカフェやレストランがいくつかあったり、ちゃんとコミュニティがあって、大自然のなかに小さな街があるところに惹かれましたね。

▲ノルウェーで撮影した、オーロラの写真。


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