あなたは答えられる?「子どもの多様性」にまつわる“素朴な疑問”とは?


「僕、スカートはいてみたい! だってプリンセスみたいでかわいいから」
「男の子が恋して好きになるのは、女の子だけだよね? それがふつうだよね?」

あなたは、子どもからこんな風に話しかけられたら、どのように答えるでしょうか。思わずびっくりして、何も言えない? もちろん、そんな人もいることでしょう。しかし、近年、加速化しつつあるジェンダーフリーの動きは、大人に限ったことではありません……。

今、15万人近いチャンネル登録者数を誇る“性教育YouTuber”シオリーヌさんが、注目を集めています。シオリーヌさんは、助産師/思春期保健相談士。総合病院産婦人科、精神科思春期病棟で勤務を経て、2017年より性教育に関する発信活動をスタートさせました。

ここでは、そんなシオリーヌ(大貫詩織)さんが“子ども”のジェンダー&セクシュアリティについて書いた『こどもジェンダー』から、今こそ子どもと一緒に考えたい「何気ないけれど、とても大切な疑問」について、Q&A形式でご紹介していきます。

子どもの「好きな色」――周りが決めつけていない?

まずは、こちらの「子どもの疑問」から……。

「ぼく、ランドセルはあかがいいんだ。でも、それはオンナノコのいろだから、ダメっていわれちゃった」――せっかく一目ぼれした赤いランドセルですが、親や祖父母は、なぜかイヤな顔をしています。「赤やピンクは女の子の色だよ」って、それ本当!?

たしかに、男の子が大好きな戦隊モノの「アカレンジャー」は男性ですよね。男の子っぽい色、女の子っぽい色……これまでの“刷り込み”で、私たちの頭は。少々かたくなっているかもしれません。保護者である私たちこそが「きみが好きな色でいいんだよ!」――そう言ってあげられたらステキですね!

「お父さん」「お母さん」の役割って、何だろう?

次に、こんな「子どもの疑問」はいかがでしょう……。

現在では、家庭ごとに様々な新しい「働き方」が生まれつつあります。

「そうたくんの家に遊びに行くと、いつもお父さんがいるけど、お仕事していないのかな?」――子どもがそんな “固定概念”に囚われていたら、どうしたらいい!?

「お父さんは外で仕事をしてお金をかせぐ」「お母さんは家にいて掃除洗濯をする」……いえ、役割分担は、家族によって様々だということ、そして、どんなことを家族で協力しあえるのか、ぜひこの機会に、お子さんと一緒に考えてみてください!

旧来の「男らしさ」「女らしさ」が、加速して“古い考え”に変わりつつある昨今。昭和・平成生まれの“親世代”が、今を生きる子どもたちの「好きなもの」や「将来の夢」を否定することがあってはいけません。ジェンダー、セクシュアリティ、LGBTQ+、ルッキズム、ホモソーシャル……。もし、どんな疑問を投げかけられても、スマートに対応してあげられるようになりたいですね!

シオリーヌさんは、子どもたちにこんなメッセージを贈ります。

「あなたの体や人生は、あなただけのものだよ」
「あなたは、あなたらしく生きているだけで、じゅうぶんなんだよ」
「一番大切なのは、あなたがあなたを好きでいられること」なのだと――。

イラスト/村田エリー

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◆シオリーヌ(大貫詩織)
助産師/性教育YouTuber。助産師として総合病院産婦人科病棟で勤務ののち精神科児童思春期病棟で若者の心理的ケアを学ぶ。2017年より性教育に関する発信活動をはじめ、2019年2月よりYouTubeチャンネルで動画投稿を開始する。著書に『CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識』(イースト・プレス)。YouTubeチャンネルはこちら