“ヘルシーなのに満足感がある”と評判の“実”になる食事とは?
大塚さんは12年前、OLから転身して「実身美」を立ち上げたそうですが、20代で店を持つって冒険ですよね。
15年くらい前にOLをしていて、ストレスと疲れで体調を崩しました。仕事の帰りが遅くて夕食を作る気にもなれなかったのですが、当時は女性が1人で入って栄養たっぷりの夕食をとれるようなお店はほとんどありませんでした。結局ファーストフードに行くか、コンビニで何か買って帰るか…
それで体を壊して、食生活を見直したことが、「実身美」を始めるきっかけでした。自分と同じようなOLは、絶対いるなと思って(笑)。
実際、「実身美」は女性が1人で入っても安心です。
それは自分の経験もあるので、特に気を付けているところです。やっぱりお1人のお客様は肩身が狭いもの。でも食事って、ただモノを食べるってことだけじゃないと思うんです。
場所とか、時間とか、提供の仕方とか、周りのすべてを含めて「食事」だから、お1人のお客様にも楽しんでいってもらいたい。「オーガニックでこだわってるから、わかる人にだけわかればいい」という店にだけは、絶対したくなかったんです。
女性の1人客も含め、大阪の店では毎日行列ができていますね。
暑い中、日傘をさして並んでくださっている方もいて、本当にありがたいです。もともと並ぶような店じゃないと思うんですが、「家族に食べさせるように作る」という気持ちが居心地よくさせているんでしょうか。リピートで何度も通ってくださって、「〇kg痩せた」とか「体調が良くなった」とか、いろんな体験をアンケートに書いてくださる方もいるんですよ。
大手町店も、何も宣伝せずに静かに始めたんですが、連日たくさんのお客様に来ていただけてありがたい限りです。
最後に、レシピ本の読者の方にメッセージをお願いします。
お店でも、料理教室を開催したときなども、「レシピ本が欲しい」という声をいただいていたのですが、今回ようやくお届けすることができました。
早速、レシピを見てご自宅で作ってブログに上げていらっしゃる方を発見し、反響の大きさに驚いています。まだまだ店舗も少ないので、直接お店に来ていただけない方にも、ご自宅で「実身美」の味を味わっていただけるというのは本当に嬉しいです。
実身美
2002年、大阪・あべのにて第1号店オープン。オーナーの大塚三紀子は、OL時代に激務とストレスで身体を壊し、その経験から“食”の大切さに開眼。「自分と同じような境遇の人に、家で食べるよりもさらに健康的な“中身”が詰まった外食を提供したい」という思いから、玄米と野菜のカフェ「実身美」をオープンさせた。現在、大阪に3店舗と姉妹店が1店舗、沖縄に1店舗を展開。さらに今年7月21日には、東京進出第1号店となる大手町店がオープン。
http://www.sangmi.jp/