両親のお祝い

両親のお祝い



自分で包んで手作りのカードを添えれば、
ちょっとしたプレゼントも特別なおくりものに早変わり。
イラストレーター杉浦さやかさんに教わる
かんたんカード作りとラッピングのアイデア。


生まれた時の干支に戻る、60歳をお祝いする「還暦」。
赤いちゃんちゃんこを着るのは「赤子に戻る」という意味があるのだそう。
最初の60歳の還暦からはじまって、70歳の古希、77歳の喜寿、
80歳の傘樹、88歳の米寿、90歳の卒寿……と続いていきます。
写真は義父の古希のお祝い。
カードは溺愛されている孫(娘)に絵を描いてもらって、
家族3人でその裏に寄せ書きをしました。
ギフトの中身はグルーミングセット。
直前に日本橋の散歩取材をしたので、
老舗のお店でブラシや爪切りや耳かき、毛抜きなど、
ちょっといいものを買い揃えたのです。
小倉織のハンカチに包み、箱に入れてプレゼント。
義兄夫妻は若い世代のブランドの、クラッチバッグをプレゼント。
カジュアルだけど、お父さん世代も違和感なく持てるもの。
あえて年配向けのブランドで探さず、ベーシックなものを選べば若々しくて素敵です。

 

両親のお祝いごとのカード作りは、ずっと私が担当。
最初の父の還暦の時は、表紙に似顔絵を描いて、家族で寄せ書きをしました。
あまり騒ぐのは嫌がりそうだったので、
還暦カラーの「赤」と黒だけを使ってさりげないアピール。
シンプルでなかなかいい感じに仕上がりました。
食事会でプレゼントの腕時計と一緒に渡したら、
思いのほかよろこんでくれたよう。
強面の父が、カードを読みながら顔をかくふりをして涙をぬぐっていた、とは母の証言。

 

父は残念ながら古希は迎えられなかったけど、
その後も母の還暦、古希、喜寿と、カード作りは続きました。
着せ替え絵本、家族の寄せ書き絵本と、毎回はりきって制作。
喜寿のお祝いでは、元気すぎる77歳の母のリクエストで、
シュラスコ料理屋さんで盛大にお肉を食べました。


こういう行事では寄せ書きがすっかり定番になったけど、
その昔、うちでは家族で1冊のスケッチブックを用意して、
家族それぞれの誕生日にメッセージを書くということをしていました。
私が小6~中2までの3年間だけだったけど、
ページをめくるとその頃の家族の様子がまざまざと蘇ってきます。
私は思春期の入口、兄は反抗期、姉は巣立ちの準備をはじめたころ。
あらそいごとが増え、「家族の行事くらいきちんとしなければ、バラバラになってしまう」と
危惧した母がはじめたよう。
そんな母も、来年でいよいよ80歳の傘寿。
いつまでも生き生き元気なままでいてほしい、と願いをこめて、
とっておきのカードを作らなくちゃ。            

*次回は10月1日(金)更新予定です。

Written by 杉浦さやか
杉浦 さやか

杉浦さやか(すぎうら・さやか)/1971年生まれ。日本大学藝術学部美術学科卒。大学在学中の1993年よりフリーのイラストレーター。
独自のタッチと視点で描くイラストエッセイが人気を博し、街歩き、旅、映画、おしゃれなど様々なテーマで執筆。『週末ジャパンツアー』『上海を歩こう』『はじめてのハワイ』『おたのしみ歳時記』(小社)、『スクラップ帖のつくりかた』(KKベストセラーズ)、『ニュー東京ホリデイ』(祥伝社)、『うれしいおくりもの』(池田書店)、『おやこデート』(白泉社)など著書多数。
Instagram @sayaka_sugiura 
Twitter @saa_aya

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