出会いをふやしたければ、ドラクエに学べ

出会いをふやしたければ、ドラクエに学べ


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ここは夜更けの隠れ家的カフェ
「イチルノノゾミ」。
今夜も普通の恋ができなくてジタバタしてる女が、恋愛マスターのサブカルママ「めだかちゃん」に助けを求めに来ました。
めだかちゃんは自分のことを“恋愛の救世主”だと言うのですが…
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プリント


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sakana  
こより「めだかちゃん、心が暖かくなる、癒しのハーブティーちょうだい」

medaka  
めだかママ「あ、うち、そういうのやってないから」

「ちょっと! 私、お客なんですけど」
「コブ茶でも飲んでなさいよ。何?その媚びた服。ピアノの発表会?」
「…合コンだったんですけど」
「・・・」
「何!そのかわいそうな生き物を見るような目はっ!」

「あんた、まだそんな残酷ショーやってんの? 合コンなんて、開始1分でブスはいないことにされんの。知ってんでしょ」
めだか

「・・・」

「あ、自分だけは違うって思ってる派なわけね? その場にいないことにされて、ただ飲んで食って連絡先も聞かれずに帰るだけの女は、自分じゃないと思っているわけね」

「ふっ…まあね」
「みんなそうよね」
「しょうがないじゃん。ホントろくな男がいないんだもん」

「開始1分で、あんたはナシにされただけでしょ」

「それとさー、女に告白する根性がある男があまりに少ないよねえ」
「…人の話、聞いてないのね」

「少なすぎない? ねえ。とりあえずあいつら告白はするべきでしょ。もっと女に。
なのに、まだドーテーだとか風俗行くしかないとか、バカだよね。まずは告白じゃない?
ねえ、めだかちゃん。女って一生の内に何回くらい告白されると思う?」

「3000回くらいじゃない?」

「ふざけんな」

「しょっちゅう告白されて困るって女も来るわよ、この店」
「ないない!そんな女はワンチャン狙いにされてるか、妄想ガールの呪文でしかないはず。絶対、運命の人から告白なんかされてないし!」

理想の男に出会えないワケ

「あんたは、運命の人といきなり出会って告白されたい女なのよ。
そして、その男はイケメンで、安定した職業で出世してて、料理が上手くて子供好きで、自分以外の女には興味を持たない独身男。でしょ?」

「…でもさ、そういう男と出会いたいって、普通じゃない?」

「そんな男は1%もいないし、いてもどっかの女にとっくに捕まってるけどね」

「…なんでそれが出会いが少ない原因になるの?」

「あんたドラクエって知ってる?」
「何?ドラクエと、出会いがないって話に何の関係があるの?」

「あんたはなるべく早くボスを倒して、旅を終わりにしたいの」

「旅?」
「そう・・”婿探し”という名の孤独な旅よ・・旅の目的は、最高の男を捕まえて結婚すること」
「それが最後のボス戦ね」

「そう、あんたが言う”運命の男”ってのが最終ボスよ」
「とっととボスに会いたい・・」

「無理。あんたはね、“村人の話”を聞いてない」
めだか

「!!!!」

「ドラクエでは村人に話を聞かなければ、モンスターのいる山も、城に入る鍵のありかもわからない。村人なんか自分様には関係ないって生きていたら、永遠に旅は続くのよ」

「言ってる意味、わかんないんだけど・・・」

「あんたさ、今日の合コンで“村人”と話した?」

「そ、それってもしかして、付き合う事はないし、仕事とかでもメリットないし、みたいな・・ハズレ男たちの事?」

「バカ。そういう男たちの話を聞くのは、モテる女の常識なのよ。幼児レベルの話」
「ええええ!そんなの面倒くさい!!」

「すべての人間が、ボスにつながる”村人”なの。
話かけた人の数だけ、出会いは増えるの」

「・・・なんか、少しわかった」

「基本よ」

「ハズレ男の友達に、イケメンがいるかもしれないし!」
「・・・・」
「村人…めだかちゃんの話を聞かせて!!」
「あんたに男なんか紹介しないわよ」
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山田玲司の解説

「ウエイトレスに対する態度を見てる女」と「冴えない男に対する態度を見ている男」

女の人はよく「店員に対して横柄な態度をする男は最低」と言いますよね。
確かにそういう男は最低です。 同様に「スペックの低い男には用はないのよね」という女の態度も最低です。

男達は口には出しませんけど、そういう女をしっかり見ていて、見た目が良くても「本命」にはしません。
村人を見下していたら、人は幸せにはなれないのです。

 

『おそらく彼は「もう1度話し合おう(涙)」 と来ます。でも実は、「しばらくほっておいたら、 どうにかなるだろ」と思っています。~男の本音を密告する「恋の男子更衣室」~』

スーパースーパーブルーハーツ 1 (少年サンデーコミックススペシャル)

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Written by yamadareiji

山田玲司(やまだ・れいじ)/漫画家
1966年東京都生まれ。20歳で漫画家デビューし、恋愛のマニュアル化を風刺した『Bバージン』で一気にブレイク。近年は“モテ”の絶対理論を語った注目作『モテない女は罪である』を発表。大人の恋愛サイト「AM」で様々なケースの恋愛相談を受けるなど、「いったい男は何考えてんの?」の問いに答えられる稀有な存在となる。著名人との魂の対談漫画『絶望に効く薬』シリーズや、『非属の才能』(本屋大賞、中2賞受賞)といった新書でも知られる。「山田玲司のヤングサンデー」(ニコニコチャンネル)、「スーパースーパーブルーハーツ」(クラブサンデー)連載中。

»http://yamada-reiji.com/

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