【猫の気持ちクイズ1】猫が撫でられるのが好きな場所はどこ?



あなたは愛猫の気持ちが正しくわかりますか?

猫の気持ち・病気のこと・普段の暮らしのこと…あらゆる猫の「わからん!」に、獣医師であり、研究者であり、猫の飼い主(げぼく)でもあるにゃんとす先生が答えます!

2匹の猫と暮らすイラストレーター・オキエイコさんの漫画とともに、お楽しみください!


 

(問題)猫が撫でられるのが好きな場所はどこ?

A. 背中
B. おでこ
C. しっぽ

撫でられる場所の好みは猫によって変わりますが、一般的に好きな場所の傾向があります。
穏やかな猫ちゃんは嫌だけど我慢していることもあるので、耳やしっぽの動きも観察し、気持ちを汲み取ってあげましょう!

問題の答えは…



(答え)B. おでこ

 にゃんとす先生の解説

おでこやあご周りを撫でられるのが好き

猫は一般的に頬やおでこ、あごなどのフェロモンを分泌する部位を撫でられると喜びます。

というのも、猫同士のコミュニケーションの際にはこれらの部位をこすりつけたり、触れ合ったりすることでお互いの親睦を深めます。飼い主さんに撫でられて気持ち良さそうにするのも、コミュニケーションが取れて喜んでいるのでしょう。

しっぽの付け根もフェロモンが分泌される場所で、トントンするとお尻をあげて喜ぶのも似たような理由からではないかと考えられます。
しかし、しっぽの付け根は好みが分かれやすく、「最高や! もっと撫でろ〜」とどんどんお尻を高くあげる猫ちゃんもいれば、「おい、そこは触るとこじゃねーだろ(ガブッ)」と嫌がる猫もいます。

2002年に行われた研究によると、側頭部やおでこは9割以上の猫が好む一方で、あご周りは5割、しっぽの付け根は3割程度と好みが分かれたそうです。
背中や前足・後ろ足、しっぽなど、フェロモンを分泌する部位以外の場所については正確なデータはありませんが、やはり好みが分かれる印象です。

お腹も嫌がる猫ちゃんは多いですが、お腹をごろーんと見せてくることもあります。
これは、「こんなに無防備になるくらいあなたのことを信頼してるよ」もしくは「へい、飼い主! 一緒に遊ぼうぜ!」のことが多いです。

そのため、前者の場合は「えっ…信じていたのに…触るな!」と噛まれますし、後者はプロレスごっこに巻き込まれてどちらにせよ噛まれます(笑)。

猫が嫌がるサインは、必ずしも噛み付いたりパンチしたりするだけではなく、のどを鳴らさずにじっとしていたり、すぐに毛づくろいを始めたりする場合も嫌がっている可能性があります。

ちなみに、嫌な時に見せるネガティブな行動は、知らない他人よりも飼い主に撫でられた時に多く見られるそうです。
信頼している飼い主には遠慮なく「嫌だ!」と伝えられるのかもしれませんね(笑)。

漫画・イラスト/オキエイコ

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著:獣医にゃんとす
漫画:オキエイコ

獣医にゃんとす

国立大学獣医学科を卒業後、臨床経験を重ねつつ、獣医学博士を取得。現在は、とある研究所の研究員として、難治性疾患の基礎研究に従事。SNSでは猫の健康や生活、病気に関するテーマを中心に発信している。著書に『獣医にゃんとすの猫をもっと幸せにする「げぼく」の教科書』(二見書房)がある。
X(旧Twitter) @nyantostos
Instagram @nyantostos
ブログ「げぼくの教科書」 https://nyantos.com/

オキエイコ

イラストレーター。「猫を残して死ねない問題」をライフワークにし、ねこヘルプ手帳を考案。株式会社nancoco 代表。著書に、保護猫エッセイ『ねこ活はじめました』(KADOKAWA)などがある。
X(旧Twitter) @oki_soroe