【前編】柳下恭平さん、出版の未来は明るいって本当ですか?

【前編】柳下恭平さん、出版の未来は明るいって本当ですか?


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知られざる想いを知る―。
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神楽坂にある書店、かもめブックスの存在が読書家のあいだで話題になっています。

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その秘密は、カフェとギャラリーが併設された洒落た店構えに、テーマ性を持った個性的な品揃えという、これまでの書店とは一線を画した店造りをしているから。

オーナーは、同じ神楽坂で校正・校閲を専門に行う会社、鷗来堂の経営者でもある柳下恭平さん。

「誰でも本屋がつくれる仕組みを作りたい」という思いのもと、2015年10月からは小規模な本の流通を行う“ことりつぎ”というサービスもスタートさせました。次々と新たな展開に打って出る柳下さんに、“暗い”と言われがちな出版の未来について話をうかがいました。

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校正・校閲の会社の経営者にして、“新たな本との出会い”を演出する新機軸の書店をオープン。
さらに昨年からは本の流通サービス“ことりつぎ”も始めた柳下さん。本と密にかかわる仕事に邁進する彼の“本への愛”のルーツとは? そもそも本が好きになったきっかけはなんだったのだろう。

images その話をすると、“最初に納豆を食べたのいつだっけ?”みたいな話になる気がしますね(笑)。ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』かもしれないし、もっと子供の頃の『ふくろうくん』とか『がまくんとかえるくん』、『すてきな三にんぐみ』みたいな絵本だったかもしれません。

とにかく、いろんな本にワクワクしていました。昔から実家には本がたくさんあって、(石川)啄木の本がいっぱい揃ってたり、うちの父はエンジニアだったので理系の本が置いてあったり。それを読むのが自然な環境だったんですよね。その頃から、本を読むことで『わぁ!これは知らない世界だ!』って、新しい扉をどんどん開けていくのがきっと好きだったんだと思います。


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