第1話 人見知りプロデューサーの“雑談道”

第1話 人見知りプロデューサーの“雑談道”


 雑談道②「その俳優さんの過去作を観て、感想や質問をする」

別に褒め倒す必要はないと思いますが、
正直な感想を言ったり、気になったことを質問したりするのは、一緒にドラマを作っていく上でも有意義です。

さらに、その作品のエンドロールを観て、
自分の知り合いが参加していたらしめたものです。

共通の知人は、雑談が盛り上がる鉄板アイテムです。
共通の知人、共通の趣味、共通の郷里、共通点を探し出して、さりげなくその話題を振る。
すると、相手との距離が近くなる感じがします。
誰でも自分に興味を持ってもらえるのは嬉しいものですから、どんどん探しましょう。

 

雑談道③「今後の脚本の展開をこっそり教える」

これは奥の手です。
ドラマの後半戦がどういう展開になるのか?
その俳優さんの役がこの後どんな運命を迎えるのか?

これは興味がないはずがありません。
「実はあなたの役、7話で死ぬんですよ」なんて言われたら驚きますよね。
非常に心強いツールです。

ただし!
これには「台本になってから読みたかった!」と気を悪くされるリスクもあります。

人が楽しみにしているドラマや映画の結末を、
先に話してしまうネタバレはひんしゅくですよね?
適度なネタバラシと、適度なひっぱり…このバランスが大事です。

そう考えると雑談は、なんか番組作りに通じる所がありますね。
相手がどんな情報を求めているのか考えて話すこと自体、相手のことを大切に思っている姿勢の表れだと思います。

と、偉そうに書いてしまいましたが、
あくまで私も雑談修行中の身です…。

余談ですが、雑談のテーマ選びに成功し長話になると、今度は別の不安がよぎります。

それは「僕と話してて迷惑じゃないか?」です。

無駄話に付き合うの面倒臭いな…
台本覚えたいのに…
などと、けむたがられていないか心配になってしまいます。

だから、僕の雑談最適時間は3分です。

3分くらい盛り上がって、熱が冷めないうちに
「じゃ、現場見てきます!」と立ち去る。
そんなウルトラマンのようなスピード感が僕の理想です。
(本音では10分でも、20分でも、楽しくお話しできるようになりたいのですが…。)

 というわけで、人見知りプロデューサーの“雑談道”

「俳優との雑談は、ウルトラマンのように」


1 2
Written by hamatani koichi

濱谷晃一(はまたに こういち)
テレビ東京ドラマ制作部プロデューサー、監督。
制作局バラエティ班として『ピラメキーノ』総合演出、『シロウト名鑑』演出などを担当した他、オリジナルドラマ『好好!キョンシ―ガール』のプロデューサー・脚本・監督も担当。
その後、バラエティ班からドラマ制作部に異動し『俺のダンディズム』『ワーキングデッド』『太鼓持ちの達人』などオリジナル企画を次次実現させ、メディアにも注目されるテレビ東京でも異色のプロデューサー。
ドラマ24「バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」毎週金曜深夜0時12分 2017年1月13日スタート!
テレビ東京系列にて放送開始!(テレビ大阪は毎週月曜深夜0時12分)
http://www.tv-tokyo.co.jp/byplayers/

»この連載の記事を見る