第2話 僕のロケ弁当道

第2話 僕のロケ弁当道


テレビ収録で、皆が楽しみにしているものといえば「ロケ弁」です。
番組予算がダイレクトに反映されるので、局や番組の”ふところ事情”が如実に表れます。

そこで今回は

「予算の少ないときの“ロケ弁道”」です!

 ロケ弁道① ロケ弁は収録の士気を上げる大事なツール。

 僕がテレ東に入社した2001年ころの二大ロケ弁と言えば…
〇東の横綱「津多屋の幕の内弁当」(1000円)
 創業40年老舗、ドリフの「8時だョ!全員集合」からロケ弁を始めたのだとか。
 煮物、揚げ物どれもおいしく、定番中の定番でした。

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〇西の横綱「金兵衛の銀ダラ弁当」(1100円 ※当時1000円だった気が…)
 もともと魚屋さんが始めたお弁当屋さんで、銀ダラがとにかくおいしく人気。
 この他、銀シャケや鯖(さば)や鰆(さわら)などバリエーションも豊富。

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たかがロケ弁、されどロケ弁。
ロケ弁が美味しく豪華だと出演者もスタッフも士気が上がります。
1000円超えの両横綱が食べられる休憩は、収録現場にも笑顔が溢れました。

 ロケ弁道② 低予算ロケ弁はちょい足しアイディアで知恵を絞る。

2008年アメリカのリーマンショックで市況が冷え込み、テレ東にもロケ弁ショックの波が押し寄せました。
ゴールデン番組で700円、深夜番組は500円が相場になったのです。
特に低予算ドラマでのロケ弁不況は深刻です。

そんなロケ弁ショックで印象に残っているのが去年の山梨ロケです。

たしか鮭がメインのお弁当でしたが、おかずの少なさや、容器のペラペラ感から、低価格であることは一目瞭然でした。
しかし本当の事件はその後、起こりました。

何と次のロケ現場であるスーパーマーケットに、昼に食べたお弁当が並んでいたのです。俳優さんが「あ、これ昼のお弁当だ…」と覗いた値札に思わず絶句。

値札には「260円」。
(値札よりさらに2割引!)

なんと、208円だったのです。

10年前は1000円の時代があったロケ弁当。
今やコンビニの高級なおにぎり一つより安い…。

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それでも、肉と魚と二種類用意して選べるようにしたり、ふりかけを別途配布したり、味噌汁を手作りで振舞うなど色々工夫しています。そういう気遣いがとても嬉しいものです。


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Written by hamatani koichi

濱谷晃一(はまたに こういち)
テレビ東京ドラマ制作部プロデューサー、監督。
制作局バラエティ班として『ピラメキーノ』総合演出、『シロウト名鑑』演出などを担当した他、オリジナルドラマ『好好!キョンシ―ガール』のプロデューサー・脚本・監督も担当。
その後、バラエティ班からドラマ制作部に異動し『俺のダンディズム』『ワーキングデッド』『太鼓持ちの達人』などオリジナル企画を次次実現させ、メディアにも注目されるテレビ東京でも異色のプロデューサー。
ドラマ24「バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」毎週金曜深夜0時12分 2017年1月13日スタート!
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