第2話 僕のロケ弁当道

第2話 僕のロケ弁当道


ロケ弁道③ 温かいケータリングは、低予算の味方!

山梨のスーパー事件翌日…。
前日のお弁当が少し寂しかったためか、気を利かせたスタッフが、急遽温かい中華丼をケータリングしてくれたのです。
これは良いアイディアです。雪が積もる寒い日だったので、温かいケータリングは絶対に喜ばれます。
それに、共演者の皆さんでわけながらワイワイやるのって、場も温かくなります。

ただし、そこには落とし穴が…。

ギリギリの低価格で発注した中華丼。
一杯一杯よそっていったら、最後の方まで具が残らなかったのです…。
つまり、後半の人には、具無しのあんかけ丼が振る舞われたのです(!)
カレーライスに具がないのはまだしも、中華丼に具がない…。
あんの色が透明なので、みかけはほぼ白飯。その寂しさはカレーの比ではありません。

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ちょっとさびしい話をしてしまいましたが。
テレビの収録現場では、安くてもみんなが喜ぶ弁当を出そうと、皆、とっても知恵を絞っています。
些細なことですが、そういう環境作りがスタッフや役者のモチベーションが上がり、結果、良い作品作りにつながるからです。

他の職種でも日常のシーンでも、必ず予算の制約に直面することはあると思います。
予算が無いと言って割り切ることは簡単ですが、みんなが知恵を絞ることで、真心が伝わり、予算がない事すら楽しめるかもしれません。
それに、新たな発想が浮かんでくるかもしれません。
(それが、今ではすっかり人気の“あんのみご飯”の発祥です…のように笑)

というわけで、予算が少ないときの“ロケ弁道”

「低予算番組は、中華丼のケータリングに気をつけろ!」

※上記の価格などは、著者の記憶を頼りに書いているため、多少の間違いはご容赦下さい。

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Written by hamatani koichi

濱谷晃一(はまたに こういち)
テレビ東京ドラマ制作部プロデューサー、監督。
制作局バラエティ班として『ピラメキーノ』総合演出、『シロウト名鑑』演出などを担当した他、オリジナルドラマ『好好!キョンシ―ガール』のプロデューサー・脚本・監督も担当。
その後、バラエティ班からドラマ制作部に異動し『俺のダンディズム』『ワーキングデッド』『太鼓持ちの達人』などオリジナル企画を次次実現させ、メディアにも注目されるテレビ東京でも異色のプロデューサー。
ドラマ24「バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」毎週金曜深夜0時12分 2017年1月13日スタート!
テレビ東京系列にて放送開始!(テレビ大阪は毎週月曜深夜0時12分)
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