【クリスマスにおうちフレンチ】熱々のグラタン「コキーユ・サンージャック」で温まる
コキーユ・サンージャック。
フランス語でホタテ貝を意味しますが、ホタテをホワイトソースとチーズで焼いたシンプルなグラタンをそう呼ぶこともあります。
寒い冬に食す熱々のグラタンは、最高のごちそう。
今回は、様々な飲食店で経験を積んできた料理家・美窪たえさんのレシピ本『おとな料理制作室へようこそ』から、聖なる夜にぴったりなフランス料理「コキーユ・サンージャック」のレシピをご紹介します。クリスマスのメニューを考え中の方はぜひチェックしてみてください。
材料(2人分)
ホタテ貝柱(冷凍)…8個
玉ねぎ…120g(中1/2個)
マッシュルーム…1パック(4~6個)
白ワイン…20g
バター…20g
薄力粉…20g
牛乳…200g
生クリーム…20g
粉チーズ…5g
塩、白こしょう…各適量
パセリ…適宜
作り方
1. 具材を準備する
まずは具材の下ごしらえをします。
冷凍のホタテは溶ける時に出るドリップも後で生かせるように、器に入れて解凍しておきます。玉ねぎは横半分に切ってから繊維に沿って薄切りに。
マッシュルームは軸を切って、汚れがあればペーパータオルで拭いてから5mm厚さに切ります。
≪ポイント≫
きのこ類は、加熱すると水分が出てすっかり小さくなるので、仕上がりのイメージよりかなり大きめに切り、量も多めに使用するとバランスがよくなります。
2. ホタテを焼き、玉ねぎを炒める
ホタテが溶けたら、ドリップは器に残したまま、身の水気をキッチンペーパーで軽く押さえ、薄く塩・白こしょうを振ります。フライパンにバターの半量を温めて、弱めの中火で両面をさっと焼いたら元の器に取り出します。
続いて、同じフライパンに残りのバターを溶かし、玉ねぎを炒めます。中火で炒め始め、徐々にしんなりしてかさが減ってきたら火を弱めます。玉ねぎの食感を残すか、トロッと仕上げるかは、この炒め加減で調節可能。ただし、これから作るのはホワイトソースのグラタンなので、ホワイトを意識して焦がさないように気をつけてください。
3. マッシュルームを足してさらに炒める
玉ねぎにツヤが出てきたらマッシュルームを加えて、さらに炒め続けます。しっとり一体感を感じるようになったら、風味付けの白ワインを加えてなじませます。
4. ソースを仕上げる
具材に火が入ったら、薄力粉、牛乳の順に加えて、いよいよソースにしていきます。
> 薄力粉を加える
まず、火を止めます。そこに薄力粉を入れ、火を止めたまま全体になじむまでしっかり混ぜ、粉が見えなくなるまで混ざったら、また火をつけて弱火でほぐすようにしながら炒めます。
> 牛乳を加える
もう1度火を止めます。冷たい牛乳を少しずつ加え、【牛乳を入れる度にしっかりと混ぜ込んでから・次の牛乳を加える】を繰り返しながら、4~6回ほどに分けて加えていきます。
牛乳をすべて入れたらまた火をつけ、弱火で混ぜながら温めればソースの完成です。
≪ポイント≫
ホワイトソース作りでは、鍋の中の状態変化を過剰に恐れないことが大切。薄力粉を入れる時、牛乳を入れる時は、それぞれ一度火を止めて、じっくり落ち着いて作業を進めましょう。
5. ホタテを戻してなじませる
ソースに生クリームと、焼いて取り出しておいたホタテ(半分に切る)を、旨味のある汁ごとすべて加え、温めながらソースになじませます。ここで味を見て軽く塩・白こしょうで調えますが、バターの塩、ホタテに振った塩、粉チーズの塩も重なることを想像しながら、濃くしすぎると後で引くことはできないので慎重に。
≪ポイント≫
ほんの少し使うためだけに生クリームを用意するのはやや面倒にも思えますが、やはり入れるといかにもフランス料理らしいコクと特別感が一気に加わります。生クリームはとても贅沢なおいしさを持っているので、「やや控えめ」に感じるくらいが適量です。
6. グラタンを焼く
全体が温まったら、耐熱の器に平らに盛り付け、粉チーズを振りかけて焼きます。既に具材には火が通っているので、表面においしい焼き色が付けば十分。
オーブンの場合は、230℃(予熱あり)で8~10分を目安に焼いてください。トースターや魚焼きグリルでも大丈夫です。
7. できあがり
チーズにおいしそうな焦げ目がついたら、お好みでパセリを振って完成です。
具材でもあり、ソースでもある玉ねぎ・マッシュルームとホタテの旨味が一体に溶け合うコキーユ・サンージャック。熱々のグラタンに少しのパンがあれば、もう十分すぎるご馳走になります。
クリスマスは自宅で作る温かいフランス料理とともに、特別な時間を過ごしてみませんか?
『おとな料理制作室へようこそ』には、旬のおいしさを味わう、おとなのためのレシピが盛りだくさん。OLからバーテンダー、日本料理人、フレンチコック、アメリカンデリという異色の経歴を持つ美窪さんから教わるレシピは、和洋中様々な料理を家庭で作りやすくアレンジされたもの。ぜひ書籍を手に取って、四季折々のごちそうレシピをチェックしてみてください。
『おとな料理制作室へようこそ』
著:美窪たえ
美窪たえ Mikubo Tae
料理する人、食べる人。J.S.A.認定ソムリエ、SAKE DIPLOMA。OLからバーテンダー、日本料理人、フレンチコックを経て、料理家・フードプロデューサーとして活動中。その経験から家庭料理や自炊に生かせるレシピやアイデア、料理への思いなど綴ったnote「おとな料理制作室」が好評。同名のYouTubeチャンネルにも料理動画を投稿している。
note https://note.com/otonaryouri/
Youtube https://www.youtube.com/c/otonaryouri